2009 Fiscal Year Annual Research Report
高次精度適合格子法による爆燃爆轟遷移現象の数値解析
Project/Area Number |
21560188
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Research Institution | Seikei University |
Principal Investigator |
小川 隆申 Seikei University, 理工学部, 教授 (50338571)
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Keywords | 可視化 / 危機管理 / シミュレーション工学 / 流体 / 流体工学 |
Research Abstract |
障害物が爆燃,爆轟およびその遷移過程に与える影響について調べるため,障害物のあるチャネル内における爆轟伝播および障害物群における爆燃爆轟遷移の解析を行った. チャネルのケースについては,障害物によって爆轟波が消滅するケースであっても,障害物間隔を狭めてゆくと消滅しないだけでなく,爆轟波の背後に二次的な衝撃波が爆轟波と同じ速度で伝播することが新たに見出された.この二次的な衝撃波の発生メカニズムが障害物間で発生する爆轟によって既燃気体内に放射される衝撃波(retonation)であることを示した.その考えを基に,先行する爆轟波と二次衝撃波との間隔を予測する式を導出し,予測結果が妥当であることを数値解析結果から検証した. また,障害物群内における爆燃爆轟遷移(DDT)の解析においては,千鳥格子状に障害物を配置した場合に火炎面のフロントが円形ではなく凹型を組み合わせた形状になることが発見された.更にこの原因が,障害物配置によって運動量損失が火炎伝播方向あるいは流速方向に大きく依存するためであることも明らかになった.また,運動量損失が大きい方向では同時に圧加変動も大きくなり,結果的にそういった方向でDDTの発生が生じることも見出された.障害物群でのDDTに関しては実験結果も少ない上に測定が困難で,従来これほど詳細な現象は明らかにされていなかった. 上記の結果から,障害物配置と形状が爆燃および爆轟に大きく影響を与えることがわかったため,当初計画していた乱流混合によるDDT解析の計画を一部変更し,現在使用している流体解析プログラムの拡張に時間を費やした.具体的には,従来のプログラムでは直交格子の格子線に沿う壁面形状しか取り扱うことができなかったが,Embedded boundary法を導入することによって任意形状の壁面を掲載で再現できるようにした.これにより,次年度以降は任意形状の障害物の任意の配置でのDDT解析が可能となった.
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