2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21560190
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Research Institution | Hosei University |
Principal Investigator |
辻田 星歩 法政大学, 理工学部, 教授 (50267324)
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Keywords | 流体機械 / 軸流タービン / マイクロガスタービン / 高負荷タービン |
Research Abstract |
本研究では高転向角160°を有する超高負荷軸流タービン翼を、小型化および軽量化が要求されるモバイル電源用の超小型ガスタービンに適用することを目的に、同翼を用いた円環翼列モデルの試験装置を設計、製作し、その空気力学的性能評価試験を行った。さらに、超高負荷軸流タービン翼列の翼形状および入射角などのパラメータが、翼列の空気力学的性能に与える影響について調べるために、数値解析を実施した。また、これらの結果を比較・検討することにより、超小型ガスタービンへの適用の可能性について検討した。 最終寸法の20倍モデルを装着した超高負荷軸流タービン円環翼列試験装置を用いた性能試験においては、ローター軸と回転数制御用モータ間に減速機を配置することにより、モータの許容回転数の範囲内で昨年度より高速回転での性能試験を行った。その結果、減速機の有無が回転数、出力トルク、効率および相対流入角間の定性的な関係へ与える影響は小さいことを確かめた上で、回転数の増加に伴い効率が向上することを確認した。また、従来型の転向角120°程度の軸流タービン翼に対する性能試験結果と比較することにより、最高効率は従来型のものに比べて1/3程度に低下するが、低流量係数域においては従来型のものより高い空力性能を有することが確認された。したがって、超高負荷軸流タービン翼列は、超小型ガスタービンの圧縮機側において一般的に採用されている遠心羽根車との組合せに適していることが分かった。また、数値解析結果からは翼形状と翼列への入射角が二次流れの形成に与える影響は非常に大きいことが明らかになった。したがって、超高負荷軸流タービン翼列の性能向上および実用化には、翼およびエンドウォール形状の3次元化による二次損失の低減が必要不可欠であることが分かった。
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