2011 Fiscal Year Annual Research Report
エタノールの低温酸化反応抑制効果による急速圧縮間欠噴霧の燃焼制御
Project/Area Number |
21560196
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
小川 英之 北海道大学, 大学院・工学研究院, 教授 (40185509)
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Keywords | ディーゼルエンジン / エタノール / アルコール / 燃焼 / 着火 / 排気エミッション / 排気再循環 / 黒煙 |
Research Abstract |
低級アルコール類を高着火性燃料の急速予混合圧縮着火燃焼場に導入することにより低温酸化(冷炎)反応が抑制され,ひいては主燃焼発現時期の制御および衝撃的燃焼の緩和が可能であることが実験的に明らかにされている.そこで本研究では,予混合圧縮着火燃焼における低着火性燃料添加による着火抑制効果に関して,エタノールを中心に実験および解析を行った.DMEを燃料とするHCCIエンジンにおいてエタノールの添加とEGRによる反応抑制効果を利用して燃焼の改善と運転可能範囲の拡大を試みた結果,エタノールの添加とEGRを併用することで反応抑制効果による熱発生時期の適正化と燃焼の緩和化が可能になるとともに,熱効率の向上と運転可能負荷範囲の拡大が得られた.その際,エタノールの添加はEGRに比べて熱発生時期を大きく変更することが可能であること,およびEGRはエタノールに比べて高温酸化反応の抑制効果が強いことを明らかにした.一方,エタノールと軽油の相溶性がブタノールを添加することで著しく向上することに着目し,上死点近傍の比較的早期にパイロット噴射を行い上死点で主噴射を行う過給および排気再循環が可能なディーゼル機関においてブタノール-エタノール混合軽油の燃焼および排気特性を検討した.その結果,ブタノール-エタノール混合軽油を用いてパイロット噴射量および吸気酸素濃度を適切に設定することにより,広い負荷範囲において静粛かつ低NOx・無煙運転が実現できることなどが明らかとなった.ブタノール-エタノール混合軽油は着火性が低いため,パイロット噴射による予混合的燃焼の熱発生が上死点側に近くなってその量を増加させることが可能になるとともに,主燃焼の後燃えが減少することで広い負荷範囲で等容度および図示熱効率が向上することが示された.
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Research Products
(5 results)