2009 Fiscal Year Annual Research Report
電場を利用した微小液滴型マイクロリアクター内における二液急速混合の試み
Project/Area Number |
21560202
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Research Institution | Tokyo Gakugei University |
Principal Investigator |
望月 高昭 Tokyo Gakugei University, 教育学部, 准教授 (70280360)
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Keywords | マイクロ・ナノデバイス / 電場 / 電気流体力学 / マイクロリアクター / 混合手法 / 液滴内混合挙動観察法 |
Research Abstract |
微小流路内において異なる成分の2つの微小液滴を合体させ,合一液滴内において2成分の反応を行わせると言う型式のマイクロリアクターが提案・検討されている.該装置は,使用する試料の量が少ない等の利点を持つ一方,液滴内部の急速混合が難しいという欠点を持つ.本研究においては「液滴内混合挙動の把握方法の確立」および「液滴内に誘起するTaylor循環流(電気対流)の循環方向の制御による液滴内2成分の混合」を目的とした検討を行った. 1.液滴内混合挙動の把握方法の確立 (1)定性的把握: 液滴内における混合挙動の定性的な把握のためには「直行する2方向からの観察」を要することを明らかにすると共に「混合挙動を1台のカメラにより直交する2方向から同時観察する方法」を考案した. (2)定量的把握: 混合挙動の定量的把握方法を検討すると共に,該方法の適用に必要となるデータ取得を目的として「混合挙動を1台のカメラにより直交する3方向から同時観察する方法」を試みた.しかしながら,撮影された液滴の画像内に陰が生じてしまい,定量的な評価には至らなかった. 2.Taylor循環流の循環方向の制御による液滴内2成分の混合 (1)Taylor循環流の循環方向の制御による液滴内2成分の混合:平行平板電極間を通過する微小液滴に電場を付与するという検討を行った.その結果,付与する電場強さに関わらずTaylor循環流は誘起せず,液滴はクーロン力に起因する連続的な極板間往復運動を呈するようになった. (2)極板間往復運動による液滴内2成分の混合: 上記の極板間往復運動の「液滴内2成分の混合」への適用可能性を検討した.その結果,液滴内部に「液滴と極板との接触の度に循環方向が変わる強い循環流」が誘起することを確認す共に,該循環流の利用により液滴急速混合が達成できるであろうことを明らかにした.
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