2010 Fiscal Year Annual Research Report
電場を利用した微小液滴型マイクロリアクター内における二液急速混合の試み
Project/Area Number |
21560202
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Research Institution | Tokyo Gakugei University |
Principal Investigator |
望月 高昭 東京学芸大学, 教育学部, 准教授 (70280360)
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Keywords | マイクロ・ナノデバイス / 電場 / 電気流体力学 / マイクロリアクター / 混合手法 / 液滴内混合挙動観察法 |
Research Abstract |
微小流路内において異なる成分の二つの微小液滴を合体させ,合一液滴内において二成分の反応を行わせると言う型式のマイクロリアクターが提案・検討されている.該装置は,使用する試料の量が少ない等の利点を持つ一方,合一液滴内部の急速混合が難しいという欠点を持つ.平成22年度は「液滴内混合挙動の把握方法の確立」および「電気流体力学的効果による液滴内二成分の混合」を目的とした検討を行った. 1.液滴内混合挙動の把握方法の確立 液滴内混合挙動の定量的評価を目的とし,液滴の挙動を直交する二方向もしくは三方向から一台のカメラにより観察する方法の検討を行った.その結果,本研究の方法は,液滴内混合挙動の定量的評価には十分ではないものの,その定性的評価には十分に使用可能なことを明らかにした.本検討内容は,平成22年度末日現在,液滴挙動観察法として原稿をまとめ終わり,学術雑誌に投稿準備中(英文添削中)である. 2.電気流体力学的効果による液滴内二成分の混合 当初は,異なる符号の電荷を持つ二つの液滴を衝突させることにより液滴内混合を達成する予定であった.しかしながら,検討の結果,液滴に電荷を付与することを目的として液滴と電極板とを接触させた際,液滴の一部が極板表面上に残り,後続する液滴を汚染する可能性があることが明らかになった.この検討結果を受け,液滴間汚染を回避しつつ液滴内撹拌を達成する方法として「液滴に周期的な交番電場を付与することにより液滴に周期的な変形運動を誘起し,その変形運動により液滴内を混合する」と言う方法を考案するに至った.平成22年度は任意の周期・強さの交番電場を付与するために必要となる電源および実験装置の設計・製作を行った.
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