2011 Fiscal Year Annual Research Report
電場を利用した微小液滴型マイクロリアクター内における二液急速混合の試み
Project/Area Number |
21560202
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Research Institution | Tokyo Gakugei University |
Principal Investigator |
望月 高昭 東京学芸大学, 教育学部, 准教授 (70280360)
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Keywords | マイクロ・ナノデバイス / マイクロリアクター / 交番電場 / 電気流体力学 / 液滴内混合手法 / 周期的変形運動 |
Research Abstract |
誘電性液体甲の正味の電荷を持たない水滴に一様な強さの定常電場を付与した場合,水滴は電場方向に対し扁長な回転楕円体形状に変形する.水滴に周期的な交番電場を付与することを考える.この場合,断続的な電場が付与されるため,水滴に「球形(電場未付与時)から楕円体形(付与時)へ,楕円体形から球形への周期的な変形運動(周期的変形運動と呼ぶ)」を誘起することが可能となると考えられる。本研究においては周期的変形運動を利用した水滴内急速撹絆法の確立を目的として以下の検討を行った. 1.液滴の並進運動抑制方法の検討 平行平板電極間の水滴に交番電場を付与した場合,「水滴の扁長変形時に電極間を短絡する場合があること」 および「水滴の電場方向への並進運動により水滴が電極板と接触すること」を明らかにした.これらを防ぐため「平行平板電極間にPTFE製細径管を設置すると共に該管内に水滴を通過させる」という配置を考案した. 2.液滴の周期的変形運動の検討 内径0.96mmのPTFE製細径管内を通過する水滴(滴径0.4mm.周囲流体:シリコーン油)に管外より交番電場を付与した際の周期的変形運動の観察を行い, (2-1)水滴の縦横比が約2.4となる大きな変形を140Hzの速度で水滴に誘起可能(付与する交番電場の周波数が70Hzの場合) (2-2)管壁の影響により水滴の崩壊が抑制される傾向にある (2-3)周囲流体が十分な広さを持っている場合,水滴の崩壊は「水滴の端がコーン状に変形し,その先端から小さな液滴が噴出する」という形で生じることが知られている.しかしながら,PTFE管内のような限られた空間内では,扁長変形した水滴の中央部でneckingが生じ,水滴が2つに分割されるような崩壊を生じる 等を明らかにした. 特に(2-1)の結果から推測するに,本研究の方法により急速な水滴内撹拝が達成されるものと期待される。
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Research Products
(1 results)