2010 Fiscal Year Annual Research Report
膨潤性微粒子層における浸透圧を含む乾燥特性とその制御
Project/Area Number |
21560206
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Research Institution | Nagaoka University of Technology |
Principal Investigator |
青木 和夫 長岡技術科学大学, 工学部, 教授 (60115095)
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Keywords | 膨潤 / 浸透圧 / 電気二重層 / 脱水 / 乾燥 / 電気浸透 / 凍結 / 高分子ゲル |
Research Abstract |
本研究は、粘土性土壌やセラミックスの乾燥および食物の乾燥を対象として、水分による膨潤をともなう微粒子層の脱水・乾燥特性を浸透圧による水分移動を踏まえて検討するもので、本年度は、膨潤性粒子として高分子ゲルおよびベントナイト粒子を用いて、主に水分の脱水現象に重点を置き、以下の結果を得た。 (1)膨潤性粒子層の脱水・乾燥に電気浸透を適用するために、高分子ゲル内の電気浸透実験を行い、電気浸透速度を体積含水比および付加電圧と関係づけるともに、水分圧力差を付加した場合の特徴的な効果を、電気浸透流れおよび圧力流れの相乗効果として明らかにした。 (2)高分子ゲルの電気浸透による脱水実験を行い、水分が粒子(高分子)に強く拘束されている膨潤性粒子系では、電気浸透による脱水が効果的であることを示すとともに、脱水速度の特性が過渡的に大きく異なることを明らかにした。すなわち、ゲル内の局所的な体積含水比の低下が電気浸透速度を著しく低下させるため、脱水過程における体積含水比分布の制御が重要であることを示した。 (3)膨潤性粒子系におけるもう一つの脱水・乾燥法として、水分の凍結による脱水・乾燥法を新たに提案するとともに、高分子ゲルを用いた凍結脱水実験を行い、脱水過程の詳細を明らかにした。 (4)ベントナイト粒子-水系における凍結脱水実験を行い、完全脱水となる凍結速度を体積含水比と関係づけて明らかにするとともに、凍結脱水法の有効性を明らかにした。 (5)ベントナイト粒子-水系における乾燥実験を行い、乾燥による体積収縮の取り扱いを検討するとともに、物体表面での乾燥速度と物体形状の変化を実験的に示した。
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