2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21560208
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
辻 俊博 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (90110262)
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Keywords | 自然対流 / 伝熱促進 / 境界層 / 層流 / 乱流 |
Research Abstract |
強制対流とは異なる伝熱特性を有する空気の自然対流境界層に関し、伝熱面近くに隙間を設けた傾斜平板列を挿入することにより、熱伝達率の大幅な向上を見込めることがわかった。この伝熱促進の要因は、傾斜平板に沿う低温流体の伝熱面への侵入と傾斜平板の端面から発生する縦渦が伝熱面近傍の高温流体を周囲へ放出する相乗作用によるものである。熱電対およびLDV(レーザドップラー流速計)等を用いた実験結果については、数値解析結果と極めてよく一致し、その妥当性が確かめられた。この伝熱促進法は、通常のフィンを用いる方法よりも製作が容易で、かつより効果的であり、実用上電子機器等の自然冷却に極めて有用である。これらの実験および解析結果については、平成22年10月開催の日本機械学会熱工学コンファレンス(長岡)で発表し、日本機械学会論文集でも公表した。更に進んだ研究成果については、本年6月開催の第48回日本伝熱シンポジウム(岡山)で発表予定であり、学術専門誌Int.J.Heat Fluid Flowにも投稿中である。 一方、作動物質が水である自然対流境界層についても、普遍的な伝熱促進技術の開発を目指して、現有の実験装置を改良して、系統的な実験データを取得するとともに数値解析を実施した。この実験と数値解析結果の一部は、既に平成22年5月開催の第47回日本伝熱シンポジウム(札幌)および平成22年8月開催第14回国際伝熱会議(米国、ワシントン)において公表した。水の自然対流境界層は、高プラントル数効果により速度場と温度場のスケールに差異を生じるため、乱れが存在するとしても、それによる熱輸送が空気の場合よりも相対的に減少する。したがって、伝熱促進を図るには、装置を構成する傾斜平板列の形状、寸法および姿勢を空気の場合とは異なるものにする必要がある。現在、種々の伝熱促進装置を水の境界層に挿入して実験を行い、PIV(粒子可視化流速計)とLDVを用いて速度計測を行いつつ、最も伝熱促進に有効な装置の形状、寸法および姿勢の特定を進めているところである。
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Research Products
(4 results)