2010 Fiscal Year Annual Research Report
高張力鋼板(ハイテン・超ハイテン)製造プロセス改善に関する熱工学的検討
Project/Area Number |
21560224
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Research Institution | Kogakuin University |
Principal Investigator |
大竹 浩靖 工学院大学, 工学部, 教授 (40255609)
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Keywords | 熱工学 / 対流 / 沸騰 / 鉄鋼製造プロセス / クエンチ / 赤外線放射温度計 / 膜沸騰崩壊温度 / 熱力学過熱限界壊温度 |
Research Abstract |
本研究は、主として自動車車体に用いられる高級鋼材、高張力鋼板(ハイテン・超ハイテン)の製造プロセスラインの改善を熱工学、すなわち冷却技術的に探ることを目的とする。具体的には、昨今広く利用できるようになったMEMS技術、赤外線サーモグラフィおよび汎用数値計算コードを利用し、沸騰熱伝達特性の高精度予測およびこの知見に基づき鋼材の冷却特性を明らかにすることを目的とする。 平成22年度は、初年度である平成21年度の実験装置を一部改良し、実験データの蓄積を行った。実験は大気圧水一水平上向き平板で構成される衝突噴流系(ラミナー冷却)を用いた。実験装置の大略は、シリコン製伝熱面(被冷却面)、加熱系、液供給装置および測定機器からなる。平成22年度は、加熱面の熱伝導率が及ぼす沸騰熱伝達特性への影響を検討するため、銀製伝熱面の実験も行った。実験の手順は、製作した伝熱面を、黒色塗料(放射率が1)で裏面塗布処理、熱伝導率の低いステンレス鋼円板に固定し、気体加熱タイプヒーター【平成22年度購入消耗物品】で約600℃(昨年度の条件は約500℃)まで昇温した後、ポンプおよび熱交換器系で一定流量、一定温度に維持されたサブクール水噴流により冷却し、実施された。この冷却時の伝熱面の温度を超小型熱画像センサ(赤外線サーモグラフィ)にて計測し、伝熱面裏面の二次元温度分布の時間変動の動画を得た。同時に、側面より超高速度ビデオカメラを用いて、伝熱面上の液膜挙動を高速度撮影(3,000fps)にて記録した。実験後、得られた伝熱面温度の時間変化および熱伝導問題を利用し、時空間的な局所的温度および壁面熱流束分布を得た。特に、温度計測と画像計測との同期を計り、高温加熱壁面での濡れ開始時の局所温度の定量化を行った。 その結果、高温加熱壁面での液体の"濡れ開始時の局所温度が熱力学的過熱限界温度に近い"ことを示した。
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Research Products
(2 results)