2009 Fiscal Year Annual Research Report
複数の冷媒に対応可能な冷凍性能シミュレーション法の構築
Project/Area Number |
21560227
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
勝田 正文 Waseda University, 理工学術院, 教授 (20120107)
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Keywords | HFO1234yf / サイクルシミュレーション / 気液二相流 / 蒸発器 / 凝縮器 / 単体シミュレーション / 空気側伝熱 |
Research Abstract |
環境問題の深刻化により、これまで車載用冷媒として使用されてきたR134aの使用規制がEU中心に検討され始め、加えて空調分野では、自然冷媒の活用、GWPの低い新冷媒の開発が推進されている。特に新たに提案されたHFO1234yfはR134aと物性値が類似で、環境負荷が小さいことから次世代車載用冷媒として期待されている。しかし、現段階で新冷媒の性能評価は、限られた範囲でしか行われておらず、ましてや評価システムは確立されていない。そこで、本研究では従来から確立を目指してきたCO2評価シミュレーションがR1234yfに適用できるか否かを確認し、汎用性を追究することで将来どのような冷媒が開発されようと性能評価を行える汎用性の高いシミュレーションの構築を目的とした。 本年度はR1234yfに用いる蒸発器、凝縮器の単体シミュレーションを作成し、それらを組み合わせサイクル全体の性能評価を行えるプログラムを作成した。 その結果、S社の実験値と比較して凝縮器単体モデルでは加熱能力、圧力損失をともに±15%以内、蒸発器単体モデルでは冷凍能力が±10%、圧力損失が±40%の精度で予測可能となった。サイクルシミュレーションでは冷凍能力は±10%、圧縮機動力が±20%、COPが±25%以内に予測可能となった。また、予測精度向上のため、熱交換器内の冷媒の気液二相流、フィンにおける空気側伝熱の調査を行った。その結果、乾燥時におけるコルゲートフィンの形状が伝熱性能へ与える影響を実験的・解析的に検討し、コルバーンのj因子・ファニングの摩擦係数fのどちらも±20%の誤差の相関式を作成した。気液二相流実験では、水平多連分岐管での二相流挙動の観察、FLUENT解析を行い、水平多連分岐において均等分配実現のための影響因子は第1分岐の扁平管突出しであると特定した。今後はこれらの結果をシミュレーションに反映していくことおよび形状の異なる熱交換器(すなわち能力の異なる機種)に適用できるように、更なる予測精度向上を目指す。
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