2011 Fiscal Year Annual Research Report
複数の冷媒に対応可能な冷凍性能シミュレーション法の構築
Project/Area Number |
21560227
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
勝田 正文 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (20120107)
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Keywords | 自然/新冷媒 / 蒸発、凝縮伝熱 / 二相流圧力損失 / 冷凍サイクルシミュレーション / 性能予測 / HFO-1234yf / 最適設計 |
Research Abstract |
地球温暖化など環境問題の深刻化により、これまで車載用冷媒として使用されてきたHFC134aの使用規制が始まり、GWPの低い新冷媒の開発が進められている。特に、車載用冷媒候補に上がっているHFO1234yfは、現行冷媒と物性値が類似で、環境負荷が小さいことから期待されている。しかし、現段階で新冷媒の性能評価は限られた範囲でしか行われておらず、評価システムも確立されていない。そこで本研究では、既に開発すみのCO2評価シミュレーションがHFO1234yfに適用できることを示した。本年度は、さらに深化したシミュレーションを確立するため車載用熱交換器を構成する設計パラメータの最適設計提案を行うことを研究目的とした。 研究は、凝縮器及び蒸発器について冷媒側と空気測各々について最適化を行った。設計パラメータの選定基準は単独でその寸法を決定できるものを対象とし、冷媒側は5種、空気側は7種をそれぞれ定めてL18直交表への割り付けた。この設計パラメータには各々3水準を設け、その選定基準は現行の熱交換器と同等の寸法値を第2水準、それより小さい値を第1水準、逆にそれより大きいものを第3水準とした。また寸法誤差を±5%で各々のパラメータに割り振ることで、2水準のノイズを定めた。 熱交換能力と圧力損失の間には相似則が成り立つことを考慮して、要因効果図から各設計パラメータの最適値を決定した。ここでどちらを優先した仕様が適切であるかの判断基準として、冷媒側はNu数と摩擦係数fの比を、空気側はコルバーンj因子とファニング摩擦係数fの比をそれぞれ用いて現行仕様と比較することで最適仕様を決定した。その結果、冷媒側・空気側ともに圧力損失を優先した仕様が最適であると判断し、サイクルシミュレーションに組込み評価を行ったところ、平均5%のCOP向上を図ることができた。この優位性は運転条件によらず一律で確認できた。
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