2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21560233
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
山本 浩 埼玉大学, 理工学研究科, 教授 (20220494)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鄭 頴 埼玉大学, 理工学研究科, 助教 (90375585)
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Keywords | 振動解析・試験 / トライボロジー / 摩擦 / 摩耗 / 不規則振動 / 自励振動 |
Research Abstract |
摩擦面同士の接触位置が時々刻々変化するだけでなく面の摩耗が進行していくことから,大域的なすべり速度と押付力が一定であっても接触状況は変化するため摩擦力・摩耗量の特性も変化し,結果として生じる振動も変動すると考えられる. 本年度は,まず接触状況を大域的に表わすパラメータであるすべり速度と押付力を変化させたときの,数10秒間における平均的摩擦力に対応する摩擦係数と,平均的振幅に対応する振幅のrms値と,平均的摩耗量に対応する比摩耗量を評価値として接触状況の影響を整理し,さらにこの接触状況を表わすパラメータを一定として長時間実験を行い,これらのパラメータにて表わしえない,時間経過による接触状況の変化に起因する系の特性変化を調べ,以下の結果を得た. (1)条件を一定とした数10秒間の実験においては,摩擦係数の変動割合に比べ,振幅の変動割合および摩耗量の変動割合はかなり小さい. (2)押付力が一定の場合,すべり速度が大きくなるにつれて摩擦係数および比摩耗量はゆるやかに小さくなるが,振幅のrms値は大きくなる. (3)すべり速度が一定の場合,押付力が大きくなっても摩擦係数および比摩耗量はほとんど変化しないが,振幅のrms値は小さくなる. (4)すべり速度および押付力を一定として数時間連続して実験においては,摩擦係数および比摩耗率は不規則に大きくなることがあるものの時間の経過とともに概ねゆるやかに小さくなり,振幅のrms値は不規則に小さくなることがあるものの時間の経過とともに概ねゆるやかに大きくなる。また摩擦係数,比摩耗率,振幅のrms値相互の増減関係は,押し付け力一定の場合の傾向と同様である.
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