2009 Fiscal Year Annual Research Report
非線形変調波動場の逆解析による微小損傷定位とモニタリング
Project/Area Number |
21560241
|
Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
増田 新 Kyoto Institute of Technology, 工芸科学研究科, 准教授 (90252543)
|
Keywords | 非線形 / 超音波 / 損傷検出 / モニタリング / 逆解析 |
Research Abstract |
本年度は,「非線形変調波動場および復調波動場のダイナミクスの解明」を主目標として,(1)基礎理論の構築,(2)数値シミュレーションコードの開発,(3)実験環境の構築と実験実施,(4)ストリンガパネル疲労試験への参加,の四つを達成目標として研究を行った.研究の結果,以下の成果を得た.なお,計画していた(4)ストリンガパネル疲労試験への参加については諸事情から実現しなかった. (1) 表面に圧電素子が貼付されたき裂を有する真直はりについて,プローブ周波数の近傍帯域における変調波動場の支配方程式を,曲げ剛性分布に局所的な時間変動成分を導入した偏微分方程式で表現し,これに復調操作(周波数シフト操作)を施した復調波動場の支配方程式を導出した.応答を定常成分と擾乱成分に分解し,高周波数のプローブ波動を入力されたはりに生じる局所的擾乱が周囲に伝播する際のダイナミクスを明らかにした.今後はこの知見に基づき,従来の非線形波動変調法では不可能だった損傷の定位を可能にする手法を検討する. (2) モード解析の観点からはりに生じた局所的擾乱が形成する復調波動場の解析を行い,プローブ加振力と復調波動場の関係がZadehの時変伝達関数で記述されることに留意して,摂動解法およびフーリエ級数法による近似解を構成した. (3) 損傷定位実験の環境構築を行った.実験内容については鋼はりに圧電セラミクスを接着した試験片をプローブ加振し,擾乱を与えた際の応答を計測するなどの基礎実験に留まった.本実験は来年度に継続し,構築した数学モデルおよび近似解の妥当性の検証を行う.
|
Research Products
(1 results)