2010 Fiscal Year Annual Research Report
非線形変調波動場の逆解析による微小損傷定位とモニタリング
Project/Area Number |
21560241
|
Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
増田 新 京都工芸繊維大学, 工芸科学研究科, 准教授 (90252543)
|
Keywords | 非線形 / 超音波 / 損傷検出 / モニタリング / 逆解析 |
Research Abstract |
今年度は,「損傷定位法の構築」を主目標として,(1)はりモデルによる波源推定法の検討,(2)平板解析モデルの構築と波源推定法の検討,(3)はり試験片における損傷定位実験の実施,の三つを達成目標として.研究の結果,以下の成果を得た.なお計画遂行の途中で変調観測値のドリフト現象の影響評価に論点を移す必要が生じたため,(2)の平板モデルについては基礎的な定式化のみに留まった. (1) はりモデルによる波源推定法の検討 昨年度導出したき裂を有するはりの復調波動場表現に基づき,き裂部位を波源として推定する方式を検討した.複数点で観測したprobe波信号を振幅復調および位相復調した復調波動信号の相互の位相差に着目し,位相差からき裂位置を逆解析可能であることを示した.簡単な数値的検討を経た後,無限長はりモデルにおいて手法の検討を行った.さらに有限長のはりにおいてき裂位置を推定する方法について検討を行った. (2) 平板解析モデルの構築 薄肉平板構造の変調波動場および復調波動場の数学モデルを導出した. (3) はり試験片における損傷定位実験の実施 疲労き裂を有するはり試験片に圧電素子を貼付した実験装置により,変調波動場および復調波動場の挙動を観察したその過程で変調観測値のドリフトが問題になり,原因について調査した結果,連続駆動による圧電素子の温度上昇によるものと結論づけられた.本実験は次年度に継続し,損傷定位手法の検討と実験的検証を行う.
|
Research Products
(1 results)