2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21560242
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
谷口 朋代 鳥取大学, 工学研究科, 教授 (90346370)
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Keywords | 平底円筒貯槽 / 浮上り / ロッキング / 流体-弾性連成振動 / 動液圧 / 有効質量 / 耐震設計 / 圧力勾配 |
Research Abstract |
これまでに研究代表者は、微小六面体に作用する浮上り角速度に伴って剛な矩形タンクや角折れ状の底板を有する矩形タンクに生じる衝撃圧による力の釣り合いに基づき、浮上り応答に寄与する内容液の有効液質量の数学解を導く手法を提案してきた。 そこで本手法に、既存の水平加振に伴う衝撃圧(バルジング)の数学解を適用して、バルジングに寄与する内容液の有効液質量の数学解を導いた。それが異なる手法で求められた既存の数学解と一致することから、提案してきた手法の厳密性が確認された。 一方、研究代表者は、振動実験の観察に基づき、浮上り応答とバルジング応答の両方に寄与する内容液の有効液質量(ロッキングーバルジング有効質量)の存在を予測し、力学的類推に基づいてそれを定量化していた。しかし、耐震設計に用いる設計量としては、厳密性に欠けていた。 そこで、前述の浮上り応答とバルジング応答に寄与する内容液の有効液質量の数学解を用いて、ロッキングーバルジング有効質量の定量化に取り組んだ。まず、浮上り応答とバルジング応答のそれぞれに寄与する内容液の見かけの密度の数学解を導いた。そして、浮上り応答とバルジング応答の両方に寄与する内容液の見かけの密度は、それぞれの応答に寄与する内容液の見かけの密度の積で表されると考え、ロッキングーバルジング有効質量の数学解を導いた。矩形タンクの縦横比とタンク底板の浮上り範囲をパラメータとして、浮上り応答とバルジング応答の両方に寄与する内容液の見かけの密度の分布や、ロッキングーバルジング有効質量を図示し、その特徴について考察を加えた。
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