2011 Fiscal Year Annual Research Report
接触回転系の多角形化現象における非線形特性の解明およびそれを利用した防止対策
Project/Area Number |
21560244
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
宗和 伸行 九州大学, 大学院・工学研究院, 助教 (40304753)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
近藤 孝広 九州大学, 大学院・工学研究院, 教授 (80136522)
松崎 健一郎 九州大学, 大学院・工学研究院, 准教授 (80264068)
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Keywords | 機械力学・制御 / 自励振動 / 非線形性 / 時間遅れ系 |
Research Abstract |
接触回転系で発生する多角形化現象は時間遅れに起因する不安定自励振動であり,線形解析により防止対策を検討している.しかし,実際に発生する不安定振動の成長過程や定常振動の特性を把握するには,系の非線形性を考慮する必要がある.本課題では,非線形振動特性の解明とそれを利用した防止対策法の確立を目指した. 1.本年度は,2個のゴムロール同士が接触回転する系を対象とした.この系は,3自由度系となるとともに2個のゴムロールで多角形化現象が発生する複雑な系となるが,安定不安定境界の存在条件に基づく安定判別法を適用することで発生領域の推定が可能となった.併せて,この系に対する防止対策のための動吸振器の最適設計が,モード毎設計法を適用することで可能となった. 2.1.で対象とした系の実験装置を製作した.実験装置の製作誤差による定量的な差はあるが,固有モード毎に発生する多角形化現象の発生領域(角形数)は理論とほぼ同様な結果が得られた.また,ゴムロールの非線形特性によるソフトスプリング特性や高調波共振が確認された. 3.ゴムロールの直径が異なる場合は,それぞれの遅れ時間が異なるため,上述の安定判別法を直接適用することができない,そこで,遅れ時間項を二つに分割し基本的な概念は変更することなく安定判別を可能とした.この安定判別法を利用することで,適切な直径比であれば系の安定性が向上させ,防止対策の動吸振器の質量比を小さくすることが可能であることを理論的に確認した. 4.ゴムロールの非線形特性を把握するために,静的荷重によるパラメータ同定を行った.その結果,ゴム表面の弾性を変形量の実数乗の項のみでモデル化することが適切であることが分かった.また,振動が大きくなる領域では接触が維持できなくなる現象が見られたためシミュレーションに取り入れた.以上の変更により,理論解析と実験とでより一致する結果が得られた.
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Research Products
(3 results)