2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21560249
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
綱島 均 日本大学, 生産工学部, 教授 (30287594)
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Keywords | 鉄道 / 状態監視 / 多重モデル / カルマンフィルタ / 故障検知 / 軌道 |
Research Abstract |
研究の目的と計画: 鉄道の安全性を確保するためには,レールと車両の状態の常時監視が有効である.本研究では,複数の車両の運動モデルを確率的に結合して,車体の振動加速度および傾斜角度などからレールの状態および車両の状態を推定する方法を開発し,その有効性を検証した.平成23年度については下記の項目を実施し,記載の通りの成果を得た。 (1)多重モデル法を用いた車両状態監視技術の深度化 平成22年度は,ターゲットトラッキング等の分野において用いられている適応推定法の一つである多重モデル法を用いて,左右動ダンパ,ヨーダンパ以外の部品の状態監視の可能性について検討した。本年度は,車両のダイナミクスの中でも特に重要な車輪・レール間のクリープ力を車両運動から推定する方法を検討した.車体,台車,輪軸のどの情報から,クリープ力が有効に推定できるか検討した.その結果,台車の運動からクリープ力を推定できることを確認した. (2)可搬型プローブ装置を用いたレール状態診断の実施 本年度は,可搬型プローブ装置を用いて,鉄道事業者3社(関東地方鉄道A社,東北地方鉄道B社,関東都市鉄道C社)の路線において,レールの状態診断を実施し,前記の鉄道事業者の路線において,定期的にデータを収集し状態診断を実施した.その結果,車両振動や騒音データから,各路線に対するレールの「カルテ」を作成し,保守に活用できる状態監視が行えることを実証した.
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