2010 Fiscal Year Annual Research Report
超音波によるマイクロ流路中の微小物体の非接触操作技術の開発
Project/Area Number |
21560254
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
小塚 晃透 独立行政法人産業技術総合研究所, 先進製造プロセス研究部門, 主任研究員 (60357001)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安井 久一 独立行政法人産業技術総合研究所, 先進製造プロセス研究部門, 主任研究員 (30277842)
畑中 信一 電気通信大学, 電気通信学部, 助教 (40334578)
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Keywords | 機械力学・制御 / 超音波 / 音響放射圧 / マイクロ流路 / マニピュレーション / マイクロマシン / 粒子 |
Research Abstract |
平成22年度は、前年度に試作したガラス板上のマイクロ流路を用いて、流路中を媒質と丈に流れる粒子を超音波で操作することを試みた。 横50mm×縦50mm×厚さ5mmのガラス板の中央に、幅1mm×長さ50mm×深さ1mmの流路(溝)を加工したものを基本形とし、流路中央に幾何学模様の溜まり場(直径5mmの円形、半円形、一辺5mmの三角形等、深さはいずれも1mm)を付加した。アルミナ粒子を懸濁した水を溜まり場に投入し、ガラス板の端に密着させたPZT振動子より4.5MHzの超音波を照射した際の、溜まり場中の粒子の挙動を調べた。粒子の濃度が薄い状態では溜まり場中の粒子が幾何学模様に凝集する様子が観察され、定在波の音圧の節に粒子が捕捉されていると考えられる。しかし、粒子濃度が濃い状態では、粒子がPZT振動子から離れる方向に移動する現象がみられた。これは粒子が超音波の伝搬を遮るために安定した定在波が生成できず、超音波の進行波の音響放射圧により粒子が音波の伝搬方向に押されたためと考えられる。 三角形の溜まり場において、音源の位置に関わらずに、三角形の底辺から頂点に向かう方向に粒子が移動する現象が見られた、そこで、T字型の三つ叉に分岐する流路の分岐点に三角形を配置し、三角形の底辺側に音源を配置して、粒子を三角形の頂点の流路から排出することを試みた。三角形の底辺に平行な流路の一端から懸濁液を投入し、他端及び三角形の頂点の流路から排出する流れとした。粒子の濃度が濃い場合、粒子は三角形の頂点から排出された。また薄い場合でも周波数をスイープすることで粒子を移動させて三角形の頂点から排出することが可能となった。すなわち、超音波を用いて固体粒子を任意の出口に誘導することが可能となった。
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