2011 Fiscal Year Annual Research Report
新型比例摩擦ダンパの開発および振動絶縁・抑制装置への応用に関する研究
Project/Area Number |
21560255
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Research Institution | 防衛大学校 |
Principal Investigator |
山口 秀谷 防衛大学校, システム工学群, 教授 (80143014)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉田 秀久 防衛大学校, システム工学群, 准教授 (00332635)
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Keywords | 摩擦ダンパ / 振動絶縁装置 / 減衰装置 / 摩擦力 / 機械力学 / 振動抑制 / 制振 / 免震装置 |
Research Abstract |
昨年度までは,傾斜レバーを回転軸で支持する構造の摩擦ダンパを検討し,目的とした性能を発揮できることを実験および数値シミュレーションにより確認し,また,スプラグ・スリップ振動が生じる場合の原因も解明できたが,傾斜レバーを板ばねで支持することにより,更に簡便でコンパクトな構造の摩擦ダンパで同等以上の性能を発揮できることが期待される.科研費申請時の当初の計画では,このような構造の摩擦ダンパは想定していなかったが,実用化されれば大いに有用であると考えられる.そこで昨年度末から理論解析を行うとともに実験装置の準備を行ってきた. 本年度は引き続き傾斜レバーを板ばねで支持する構造の摩擦ダンパの検討を行った.なお,板ばねで支持する方式として,板ばねを傾斜レバーの長手方向に平行に固定する(縦板ばねと呼ぶ)方式と,板ばねを傾斜レバーの長手方向と直角に固定する(横板ばねと呼ぶ)方式が考えられる.両方式について実験を行った結果,基本的特性は傾斜レバーを回転軸で支持する構造の摩擦ダンパと類似していることが検証された.しかしながら,板ばね支持方式では,板ばねの横たわみのために,回転軸で支持する構造より振動が発生し易いことも分かった.また,振動を引き起こす要因として,力センサ取付部の微小な変形が関与していることが分かった.なお,縦板ばね方式では,力センサ取り付け部の変形を極力小さくし,レバーの傾斜角やオフセットを調整することにより振動を抑制することができ,実用化も可能であることが確認できた.一方,現段階では横板ばね方式の振動を抑制するに至らず,今後の更なる検討を要する.
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