2011 Fiscal Year Annual Research Report
可変形状・剛性の機能を有する生物規範型流体内推進ロボットの開発
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21560260
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
小林 俊一 信州大学, 繊維学部, 教授 (50225512)
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Keywords | ロボティクス / バイオミメティクス / バイオメカニクス / 流体内推進 / 多毛類 / 可変剛性 |
Research Abstract |
屈曲型流体内推進機構は、現在多く用いられているスクリュプロペラでの問題点(水中の生物に対する危険性、激しい撹拌による汚泥の巻き上げによる水質汚染)を解決する、環境に配慮した推進機構のひとつである。本研究は、水中を遊泳する生物の屈曲運動の動きを規範とした屈曲型推進機構に注目し、 ・屈曲形推進機構の機動性・位置制御性を向上させるために、多毛類の形態を規範とした体表面の突起を利用した推進、 ・水からみかけの粘性の高い泥水まで、広範囲の液体の環境で動作するため、ウナギ型推進とアジ型推進の形態を自由に変化させ、その機構の剛性も変化させる推進 を実現させ、形状と剛性が実時間で自由に変化できる「生物規範型流体内推進ロボット」を開発することを目的とする。 平成23年度は、(1)体表面形状変化による全方向推進特性の機動性向上と(2)可変剛性機能の検討を行った。詳細は以下の通りである。 (1)体表面形状変化による推進特性の検討 平成22年度に多毛類の体表面突起物を模擬した水中フィンを多数用意し、水中フィンの推進機構の体軸に対する角度を可変として全方向推進を可能としたが、本年度は屈曲運動中に個々の水中フィンの角度を動的に制御し、機動性をより高くすることを実現した。 (2)2種類の可変剛性機能の検討 板バネの有効長さを剛体板の移動で変化することによる板バネの可変剛性機能について、さらにその曲げ剛性分布を制御する機構を追加した。また、板ばねよりもしなやかに変形する、弾性平板のねじりを利用した可変剛性機構を検討した。 これより、アジ型推進を行う際、高い遊泳速度や推進力を得る最適な曲げ剛性分布の明確化と、よりしなやかな可変剛性実現のための基礎技術を得た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究の目的を達成するための主要な研究項目については取り組み、大体の成果がでているのでおおむね順調である。
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Strategy for Future Research Activity |
研究開始時にはあらかじめ多くの研究項目を設定していた。しかし、この最終年、残された研究項目を全て実施しようとすると途中で終了となる可能性があるので、研究の目的を達成するための本質的な項目を定め、それについて取り組んでいく。特に今年度は流体内移動ロボットの開発に重点を置く。
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Research Products
(5 results)