2011 Fiscal Year Annual Research Report
電子導電性高分子アクチュエータを用いた能動カテーテルの開発
Project/Area Number |
21560261
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Research Institution | Wakayama University |
Principal Investigator |
土谷 茂樹 和歌山大学, システム工学部, 教授 (30283956)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
幹 浩文 和歌山大学, システム工学部, 助教 (20403363)
菊地 邦友 和歌山大学, システム工学部, 助教 (20588058)
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Keywords | 高分子アクチュエータ / ソフトアクチュエータ / 導電性高分子 / ポリピロール / 電界伸縮 / カテーテル / 能動カテーテル |
Research Abstract |
本研究は、電子導電性高分子をアクチュエータとしこれに電圧を印加することで屈曲制御可能な能動カテーテルを開発することを目的とした。提案カテーテルは樹脂細管の4側面にアクチュエータを設け、その表面をアクチュエータ駆動用の固体電解質で被覆した構造を有する。対向する一対のアクチュエータ間に電圧を印加し、これらが電界伸縮することで樹脂細管は屈曲動作する。最終年度の平成23年度は、(1)カテーテル作製のための要素技術の完成度向上、(2)樹脂細管表面への高精度ポリピロール(電子導電性高分子の一種。PPyと略す)パターンの形成、(3)能動カテーテルの第2次試作、(4)試作カテーテルの評価と課題抽出、を目指した。低剛性、高導電性で樹脂細管との密着性に優れたPPy電解重合用電極の形成が要素技術上の課題であるため、シリコーン樹脂細管(直径1mm)表面にスパッタ法と無電解めっき法によわ金薄膜を形成すると共に、同薄膜上へのPPyの電解重合に成功した。さらに、エキシマレーザ加工装置を用いてシリコーン樹脂細管全周に形成した金とPPyの積層膜を部分的に除去し、細管の軸方向に幅150μmの分離溝を形成することで、樹脂細管の4側面にPPyアクチュエータを形成することに成功した。次に有限要素法解析を用いてアクチュエータ駆動時のカテーテルの屈曲変位を計算し、目標とする屈曲曲率半径(20~30mm)が達成可能な樹脂細管の直径と金電極の厚み求めた。その後、シリコーン樹脂細管(直径1mm)表面に設けた4分割したPPyアクチュエータを駆動用電解質ゲルで被覆し、能動カテーテルを試作した。試作したカテーテルの対向アクチュエータ間に10μAの直流電流を流すことにより金電極およびPPyの剥離が無く曲率半径23.4mmの屈曲動作が得られた。また、±10μA,15mHzの矩形電流の印加により、繰り返し屈曲動作も確認できた。
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Research Products
(14 results)