2009 Fiscal Year Annual Research Report
非線形弾性力により従来比1万倍の力を発生する静電マイクロアクチュエータ
Project/Area Number |
21560263
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
南 和幸 Yamaguchi University, 大学院・医学系研究科, 教授 (00229759)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木下 勝之 山口大学, 大学院・理工学研究科, 講師 (80325240)
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Keywords | MEMS / マイクロアクチュエータ |
Research Abstract |
アクチュエータの全体設計と製作プロセス設計を行い、一次設計自体は完了した。また、製作プロセス上必要な電極の絶縁膜形成プロセスとして、電着塗料の応用の実験的検討を行った。最適な条件を見付けることは出来なかったが試作に利用できる目処は付いた。 FEM解析により水平面内、垂直面内で変形する非線形バネをそれぞれ設計した。水平面内で変形するバネについては、試作プロセスに従った材料や加工可能な寸法により詳細にシミュレーションし、予測される出力等も得ることが出来た。垂直面内で変形する非線形バネについては、静電引力と構造の連成解析が必要になってくるため、この手法の習得と簡単な構造の解析を行った。今後解析結果の妥当性について検証する予定である。 製作プロセスについては厚膜レジスト(SU-8)の高アスペクト比加工や、前述の絶縁膜形成プロセスの検討を行った。厚膜レジストの加工条件などの条件出しはほぼ終了した。後は実際の製作プロセスを進めながら、条件を修正する必要がある。 試作については、水平面内変形バネを有したアクチュエータにおいて設計したフルモデルの試作を進めた。プロセス途中で電極薄膜が剥離するなどの問題があり、工程を変更して試作を継続中である。厚膜レジストによる構造体までは問題なく製作できている。一方、垂直面内変形バネを有したアクチュエータに関しては、簡単なブリッジ構造のアクチュエータを設計し、試作を試みた。このアクチュエータに関しても別の薄膜の剥離や厚膜レジスト自体の剥離など予期しない問題が発生しており、プロセス条件を検討しながら試作を継続中である。
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