2010 Fiscal Year Annual Research Report
非線形弾性力により従来比1万倍の力を発生する静電マイクロアクチュエータ
Project/Area Number |
21560263
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
南 和幸 山口大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (00229759)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中島 雄太 山口大学, 大学院・理工学研究科, 助教 (70574341)
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Keywords | MEMS / マイクロアクチュエータ |
Research Abstract |
水平面内変形バネを有した静電マイクロアクチュエータの製作条件の検討を昨年度から引き続き検討した。SU-8の残留ひずみが問題となったため、ポリイミドフィルムを素材とする構造に変更して、製作プロセスの検討を行った。ポリイミドフィルムのガラス基板への均一な接着技術を確立し、酸素RIEにより製作を進めている。RIEによるエッチング時のサイドエッチングが問題となったが、ほぼ解決する方法を見いだした。試作の継続により完成できると考えられる。まだ完成していないため、計画していたアクチュエータの駆動実験、評価を行うことは出来なかった。 垂直面内変形バネを有した静電マイクロアクチュエータに関しては、概略的な構造を設計した。さらに接触型の3次元非線形バネのFEM解析手法を確立して、設計したアクチュエータ構造に使用する非線形バネの設計を行った。解析結果より非線形性を有し、静電引力にほぼ沿う特性を持った垂直面内変形バネを製作できること明らかにし、具体的な寸法例と発生力などを明らかにした。 垂直面内変形バネを用いた簡単なアクチュエータであるブリッジ型アクチュエータの製作プロセスを確立して、試作、駆動実験、変形測定を行った。また、FEMを用いた静電-構造体連成解析手法により、アクチュエータの動作、変形シミュレーションを行った。現在、実験結果とシミュレーション結果の比較検討を行っている。さらに、垂直面内変形の非線形板バネを製作するため、グレイトーンリソグラフィを用いた湾曲板バネの製作プロセスを設計し、プロセス条件の検討とプロセスの妥当性を検証した。エマルジョンマスクを用いたグレイトーンリソグラフィ技術を確立することが出来たが、犠牲層剥離による板バネ自立工程において、バネの破壊や犠牲層の剥離不良の問題が生じている。現在、プロセスの最適化を検討中である。
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Research Products
(2 results)