2010 Fiscal Year Annual Research Report
ロボット関節剛性を高速に調節する機構の開発とその制御の基づく動的器用さの実現
Project/Area Number |
21560268
|
Research Institution | Tohoku Gakuin University |
Principal Investigator |
梶川 伸哉 東北学院大学, 工学部, 教授 (80290691)
|
Keywords | 関節剛性 / 手指関節 / 投げ上げ / 関節剛性可変機構 / ロボットハンド |
Research Abstract |
本年度は,(1) 人間の投げ上げ動作の解析と(2) 剛性可変機構を搭載したロボットハンドの製作の2課題を行った.(1) に関しては,昨年度の実験条件をさらに一般化し,全ての指関節対象とした投げ上げ動作を計測・解析した.その結果から,各関節の役割および,その制御方法について次のような知見を得た.(1)手首,MP関節の運動は投げ上げ物体の速度上昇に大きく関わる.(2)MP関節は物体の投射方向を大まかに決定している.(3)PIP関節,DIP関節は運動中,物体との安定した接触状態を保つよう姿勢が調節されている.これは,関節の受動性を利用した特徴であることも推察された.(4)各関節の運動速度ピークは手首からDIP関節への順に到達時刻がずれており,運動連鎖の現象が確認された. 一方,(2) の関節剛性可変機構を有するロボットハンドの製作においては,4本指を有するものを製作し,その基本特性について検証を行った.この剛性可変機構は昨年度試作した方式とは異なり,新たに考案したものである.関節内部に空気圧クッションを挿入し,空気圧制御により剛性を調整するものである.基礎実験により,関節剛性は2倍程度の可変域を確保できることが確認できた.また,剛性調節に要する時間はおよそ500ms程度であった.4本指構造としたことで,人の行う姿勢はほぼ再現でき,剛性調節機能と合わせて,人と同様の器用な動作の実現が期待できる.今後は,(1)から得られる知見をもとにロボットの制御アルゴリズムを考案し,ロボットハンドを用いて,人の行う投げ上げ動作を行う予定である.
|