2011 Fiscal Year Annual Research Report
複数通信遅れを考慮する遠隔協調操作と予測制御の研究
Project/Area Number |
21560280
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Research Institution | Fukuyama University |
Principal Investigator |
木村 純壮 福山大学, 工学部, 准教授 (20243595)
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Keywords | 遠隔制御 / 協調制御 / 予測制御 / 通信遅れ |
Research Abstract |
本研究では,複数通信遠隔フィードバック制御の基礎理論研究・実験研究を目標としている.遠隔地に存在する複数の機械やロボットを遠隔制御して協調作業をするような場合には,通信経路が複数になり,制御が非常に困難になる.複数通信のそれぞれの通信遅れとその変動への対策を目指して以下の研究を行った.(1)実験システムの構築および通信遅れの詳細計測 研究申請時の計画に変更・修正を重ねながら実験システムを完成させた.特に,昨年度研究にて問題となった,実験用パソコンの性能不足は,新規購入で解決した.しかし,研究費の分割受入れの影響で,機械の相互干渉用部品購入が遅れ,さらに,代理店業者変更のトラブルが重なった.仲介業者による輸入を経て物品購入する結果となり,時間と手間を要して実験システムの完成は約6ケ月遅れた.複数通信遅れ・むだ時間と変動の詳細計測実験を実施して特性を把握し,さらに,主目的の制御実験に取り組んだが,実験システム完成の遅れを取り戻すことができず,実験研究は期待した成果には達することができなかった.(2)実験用ソフトウェア開発 基礎的実験のため,複数通信を実現するプログラムを独自開発した.また,高度ネットワーク通信制御装置に対応して複数通信システムと制御実験用ソフトウェアを開発・完成した.これの機能を用いて複数機械の遠隔通信駆動制御実験を実行した.また,本ソフトウェアを利用して,その他の各種実験を実施している.(3)基礎制御理論の研究と制御系設計 複数むだ時間システムに対するロバスト安定化状態予測制御と簡略化予測器の基本予測性能に関して,数値制御シミュレーションを実施して有効性を確認することができた.完成した実験システムを制御対象として基礎理論を適用して制御系の設計を検討した.研究の遅れに伴い目立った成果は得られていない.
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