2010 Fiscal Year Annual Research Report
小さな力で思いのままに操れる安全性を考慮に入れた全方向移動車椅子の開発
Project/Area Number |
21560282
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Research Institution | Gifu National College of Technology |
Principal Investigator |
北川 秀夫 岐阜工業高等専門学校, 電子制御工学科, 教授 (80224955)
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Keywords | 車椅子 / 全方向移動 / 機構 / 福祉 / ロボット / 走行安定性 |
Research Abstract |
全方向移動機構を再検討し,簡単な構造で乗り心地向上,段差対応が可能な,通常のタイヤを用いた機構を開発した.従来の機構では,アクティブキャスタによる全方向移動機構を実現するために遊星歯車を利用していたが,新たに平歯車を利用した機構を開発することにより,よりシンプルで製作が容易なアクティブキャスタの実現が可能となった.従来の遊星歯車機構を利用したものと同様に,ギアの配置を工夫することによって,並進時・旋回時いずれにおいても,モータの出力を有効に利用することが可能なシステムになっている. 次に,このアクティブキャスタを四輪装着した全方向移動車椅子を製作した.オムニホイールを用いて全方向移動を実現していた際に問題となっていた走行性能が,通常タイヤを使用することによって向上した.この新機構の車椅子においても,パワーアシスト制御によって介助者が車椅子を操作する介助モードが実現可能であることを確認している.走行実験においては,スラローム走行等による全方向移動性能を確認するだけでなく,登坂走行,段差乗り越え走行を実現し,これまでになかった不整地走行能力の高さを確認した.また,坂道での横方向移動等の,実際の車椅子において安定性が問題となっている走行についても,安定した動作を実現した. さらに,多様な障害物の回避を可能とするため,測域センサに回転機構をつけた三次元障害物認識システムの改良を行った.回転軸の傾斜角度と回転速度を変化させることにより,状況に応じて処理速度と空間分解能を調整することが可能となった.
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