2009 Fiscal Year Annual Research Report
水上パルス放電による効果的なラジカル生成とVOC分解
Project/Area Number |
21560285
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Research Institution | Muroran Institute of Technology |
Principal Investigator |
佐藤 孝紀 Muroran Institute of Technology, 大学院・工学研究科, 准教授 (50235339)
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Keywords | 有害化学物質 / 放電化学 / 汚染物質分解 / 水上放電 / 発光分光分析 / 電子密度 / 電子温度 |
Research Abstract |
水上放電プラズマを用いた揮発性有機化合物分解技術の確立のため,水上放電によるラジカルの生成メカニズムを解明する。ここでは,ラジカル生成時の放電状態を把握するため,水上放電プラズマの発光を分光分析し,電子温度および電子密度を求める手法を確立させる。 ステンレス製の直径φ1.5mm×長さ19mmの釘を針電極とし,その直下にステンレス製の容器(内径φ119mm×深さ12mm)を設置してイオン交換水を130g注いだ。この電極を内寸φ140×100mmの円筒形放電セル内に設置し,針先-水面間距離を4mmに保ち、Blumlein回路により発生させたパルス電圧を針電極に印加して放電を発生させた。放電セル供給するバックグランドガスには,Ar-O_2およびN_2-O_2混合ガスを使用し,その組成を変化させた。 放電の発光をマルチチャネル分光器(Ocean Optics・Maya2000Pro,平成21年度購入備品)を用いて測定し,H原子のバルマー系列からの発光であるH_α(656.3nm)とH_β(486.1nm)の強度を用いた二線強度比較法より電子温度を求めるとともに,測定されたH_αの半値全幅と理論的シュタルク幅との関係より電子密度を求めた。 得られた電子温度および電子密度は,それぞれ6.1×10^5Kおよび1.4×10^<17>cm^<-3>程度となり,O_2を混合すると,電子密度が増加し,電子温度が減少する傾向がみられた。これまでに汚染物質分解率が最も高い結果が得られている純Ar中では,電子温度が最も低い値となった。純Ar中では放電が水面を覆うように広がるため,電子温度は低いがラジカル生成が効果的に行われるためと考えられる。
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