2010 Fiscal Year Annual Research Report
水上パルス放電による効果的なラジカル生成とVOC分解
Project/Area Number |
21560285
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Research Institution | Muroran Institute of Technology |
Principal Investigator |
佐藤 孝紀 室蘭工業大学, 大学院・工学研究科, 教授 (50235339)
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Keywords | 有害化学物質 / プラズマ・核融合 / 水質汚濁・土壌汚染防止・浄化 / 放電化学 |
Research Abstract |
本年度は,in-situ IRAS(Infrared Absorption Spectroscopy)によるラジカル計測システムを構築し,放電プラズマ中で生成されるラジカル等を計測した。 1.ラジカル計測システムの構築 赤外線は空気中の水分によって減衰するので,フーリエ変換赤外分光システム(FT-IR)とアクリル製放電容器を樹脂製フードで覆い窒素でパージする。放電容器に赤外線透過窓を取り付け、FT-IRから外部に向けて放射された赤外線を容器内の電極間に導くとともに、同じ容器内に設置したミラーで反射させ、放電内を再び通過してFT-IRに戻り検出部に入るように装置を改良した。また、FT-IRのパワースペクトルが最大となるように光軸を調整した。 2.ラジカル等の濃度測定 Ar-O_2混合ガス中において、針対平板配置の電極を用いて直流コロナ放電を発生させ,1.のシステムで放電診断を行った。このとき、水分子由来のラジカルを検出するため、平板電極を金属とする場合および水を入れた容器とした場合で診断を行った。得られた結果を比較すると、水上で放電を発生させた場合に、HO_2と思われる吸収スペクトルが1300~1500cm^<-1>に観測され、バックグラウンドガスのO_2濃度の増加とともに増加する傾向を示した。HO_2ラジカルは、OH+O_2→HO_2+O(1)、H_2O+O→HO_2+H(2)、O_3+OH→HO_2+O_2(3)の反応で生成されることが報告されており、生成に酸素が関与することから、O_2濃度の増加とともに増加する1300~1500cm^<-1>の吸収スペクトルはHO_2ラジカルによるものと判断された。
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