2011 Fiscal Year Annual Research Report
水上パルス放電による効果的なラジカル生成とVOC分解
Project/Area Number |
21560285
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Research Institution | Muroran Institute of Technology |
Principal Investigator |
佐藤 孝紀 室蘭工業大学, 大学院・工学研究科, 教授 (50235339)
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Keywords | 有害化学物質 / プラズマ・核融合 / 水質汚濁・土壌汚染防止・浄化 / 放電化学 |
Research Abstract |
本研究では、大気圧下の水面上で放電プラズマを発生させ、気相中でのO、O_3の生成に加えて、H_2O分子から生成されるラジカルの生成メカニズムを解明し、その効果的な生成方法を検討することを目的としている。本年度は、揮発性有機化合物を分解する環境でのプラズマ状態の計測とin-situ IRAS(Infrared Absorption Spectroscopy)によるラジカル濃度測定を行った。 放電容器にバックグラウンドガスとしてAr-O_2混合ガスを一定流量で供給した状態で、水上に設置した複数針電極に正極性直流高電圧を印加してコロナ放電プラズマ発生させる。電流と電圧を測定して電力を算出するとともに、in-situ IRASによる短寿命ラジカルの濃度と位置分布を測定するとともに、バックグラウンドガスの組成がラジカル濃度に与える影響を調査した。 波数1330~1460cm^<-1>に放電発生時にのみ検出される吸収ピークが確認され、このピークがバックグラウンドガスのO_3濃度の増加に伴って増加する傾向を示した。よって、この吸収ピークを、短寿命でH_2O+O→HO_2+H、O_3+OH→HO_2+O_2、O_2+OH→HO_2+O、O_3+H→HO_2+O、O_2+H→HO_2の反応で生成されるラジカルHO_2によるものと判断した。HO_2ラジカル濃度の位置分解測定より、濃度は水面から離れるに従って減少することがわかった。コロナ放電の発生によってH_2Oの気化が促進され、その濃度が水面からの距離に従って減少することが観測されおり、高エネルギー電子とH_2Oの反応で生成されるOHラジカルの濃度もH_2O濃度と同様の傾向で変化し、結果としてOHラジカルを含む反応で生成されるHO_2分布も同様に水面から離れるにしたがって減少する傾向を示したと考えられる。これらの成果について平成24年電気学会全国大会で報告した。
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