2009 Fiscal Year Annual Research Report
テラヘルツイメージングによる水トリー劣化の早期発見技術の構築
Project/Area Number |
21560286
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
鈴木 雅史 Akita University, 工学資源学部, 教授 (60226553)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
水戸部 一孝 秋田大学, 工学資源学部, 准教授 (60282159)
カビール ムハムドウル 秋田大学, 工学資源学部, 助教 (10422164)
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Keywords | 水トリー / テラヘルツ / 絶縁劣化 |
Research Abstract |
現在水トリーの劣化診断方法としては、水トリー劣化による損失電流の高調波成分を電気信号として取得するなどの方法がある。これによって水トリー劣化を検出することは可能であるが、実際の水トリーの大きさや形状、または分布などの可視情報を得ることができず、どうしても切断などを行い、絶縁体の部分をスライスして着色後、顕微鏡で観察するという方法が必要となる。そこで本研究では、この水トリーを水による吸収が顕著であるTHz周波数帯を利用することによって、その透過強度から劣化試料を非破壊で直接観察し、分布や大きさなどを可視情報として知ることを目的とした。その結果、水トリー発生部分と未発生部分にTHz波の透過量に差が見られた。これは水トリー発生による架橋ポリエチレン内部の水分量が増加したためであると考えられる。特に、水トリー長が長く、密集している部分では水分量が多く、THz波の吸収率が高くなるため、より透過量が減少する事が分かった。乾燥後の試料の水トリー発生部分全体のTHz波の平均透過量は乾燥前の試料の透過量より少なくなった。この理由として考えられることは、乾燥によって水トリー内部の水分が蒸発し、THz波の吸収が弱まったことが考えられる。
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Research Products
(3 results)