2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21560288
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
栗原 和美 茨城大学, 工学部, 教授 (30143142)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堀井 龍夫 茨城大学, 工学部, 准教授 (80114023)
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Keywords | 電気機器 / 省エネルギー機器 / 単相永久磁石モータ / 効率 / 自己始動 |
Research Abstract |
単相永久磁石モータは単相誘導モータに比較して励磁損失が小さいため、一般に、高効率になる。このため、冷蔵庫等のコンプレッサーの駆動機として使用することにより、更なる省エネルギーが期待されている。さらに、自己始動形単相永久磁石モータは、インバータを必要とせず、単相電源への直接投入で始動し、同期に引き入れ、同期運転することができる。しかし、単相電源のため逆相分磁界が発生し、始動時に永久磁石によるブレーキに加えて逆相分磁界のブレーキが重畳し、始動トルクが低下することが問題になっている。このため、始動特性の改善が特に重要になっている。 昨年度に、シミュレーション結果に基づいて最適設計した高効率で、高い始動能力をもつ回転子を試作した。本年度の研究では、試作電動機の始動特性、負荷特性の実験を行い、最適設計の検証を行った。この結果、定格トルクの1.3倍の一定負荷トルクを始動、同期引き入れに成功し、しかも、効率も定格で従来機の2.5%アップ、さらに、定格負荷の1.5倍の負荷で80%に達することを確認した。本研究の成果の一部を国際会議 International Symposium on Electromagnetic Fields(ポルトガル)で発表した。論文題目は"Rotor Design for High Starting Performance of a Self-Starting Single-Phase Permanent-Magnet Motor"で、現在、ELECTRICAL REVIEW Journalに掲載決定になっている。 以上のように、本研究で提案した高い始動能力をもつ高効率単相永久磁石モータは、通常の低効率・低力率単相誘導モータに容易に代替できるので、省エネルギーに極めて優れていることがわかった。また、この種のモータの最適設計の手法が確立できたので、試作なしでしかも短期間で設計ができるようになった。
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Research Products
(4 results)