2011 Fiscal Year Annual Research Report
大トルク直接駆動横磁束形永久磁石ディスク同期電動機の提案と実証研究
Project/Area Number |
21560291
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
古関 隆章 東京大学, 大学院・工学系研究科, 准教授 (20211899)
|
Keywords | 永久磁石 / 高トルク / 永久磁石形同期電動機 / 横磁束形同期機 / ダイレクトドライブ / 船舶電気推進 / 電気推進船 / 同期電動機 |
Research Abstract |
最終年度の研究を行った結果、以下の成果を得た。 (1)回転円板を不導体であるGFRP材料とし、磁気回路構成を改良した最新の試験機の静特性と動特性を測定した。2年度までに大きな問題となった説明のつきにくい抵抗トルク発生や、回転子温度上昇が見られず、性能良い回転機が実現できた。この結果、基本的磁気回路計算や設計時の算定モデルに基づく設計で想定した逆起電力の速度特性、発生力と、実験値がよく一致し、本研究で提唱した基本的な設計法、特性算定法の有効性が検証できた。 (2)d/q軸電流を分離し、電流フィードバック、速度フィードバックによる速度制御器を実装した状態での回転試験を行った。精度の高い速度制御が出来、無負荷試験において、想定どおりのきれいな逆起電力波形(電機子端子電圧波形)が得られると共に、静かで安定した低速回転が出来ることを実証した。同期電動機としての基礎特性の測定と基本性能を検証した。ただし、提案同期電動機においては、トルクを得るため電機子巻線のターン数を増やすと力率が悪化することが、本質的問題として残った。また、現設計では、電機子コアの密度が低くなりがちであり、このため電動機の占有体積あたりのkVA,トルクの密度が制約を受けた。このため、電機子コアの密度をさらに高めるような電機子鉄心、巻線の形状を考案した。 (3)本件研究では、提案電動機の基本動作を確認し船舶駆動用ダイレクトドライブモータとしての技術的可能性を示すことが出来た。一方、試験機の規模が研究室内における小さなものにとどまったため、大型高トルク機としてのデモはできなかった。また、改良効果を実証するための長時間試験を行った。その結果、温度上昇、駆動音や機械的強度、堅牢性などは実際の回転試験で全く問題にはならず、設計時に予定した性能が問題なく出ていることを確認した。 これら一連の作業を通じ、特性向上に向けた設計上の改良効果が試験結果に基づき検証された。
|