2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21560295
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
河瀬 順洋 Gifu University, 工学部, 教授 (20144735)
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Keywords | 電動機 / 特性解析 / 並列計算機 / 有限要素法 / 磁界解析 |
Research Abstract |
有限要素法をベースとした電動機の特性解析のための並列計算機システムの構築を目的とした本研究において、まず、基本的な並列計算の手法として領域分割法を用い、かつ、計算機間の通信に対して標準的なMPIを採用し、これらを用いた三次元辺要素有限要素法を開発し、研究の基礎となる並列計算システムを構築した。これにより、解析モデルを小領域に分割し、ネットワークに接続された複数のコンピュータに分配して同時に計算することにより、高速計算が可能になった。16台のPCによって構成した並列計算機システムでは約12倍の計算速度の向上を実現した。また、採用した領域分割法によって計算の高速化だけでなく大規模計算も可能になった。 本年度は、回転子の回転に伴う要素分割を再構築する方法の開発を目的とし、それを実現した。本手法の開発においては、計算時間の短縮を第一義として考え、回転子の回転に伴い回転子領域を回転させた後にメッシュ分割した電動機モデルを小領域に分割する方法を採用した。これにより、各時間ステップ間ではデータの引継ぎのための処理が必要となるが、各時間ステップにおける並列計算にかかる負荷が最小限になることにより、回転処理の追加による計算時間の増大を抑えたシステムを構築することができた。 さらに、本年度は、電圧源を考慮した電動機の磁界解析のための並列計算を可能にした。電圧源を考慮するためには磁界の方程式に電圧方程式を連立する必要がある。領域分割法による並列化を採用した本システムでは、電圧方程式を構築するために、複数の領域に分割されたコイルがもつポテンシャル値を合計する必要があるが、これをそのまま通信で行うと、通信時間が莫大になる。ここで開発した手法は分割された各小領域にそこに含まれるコイルがもつポテンシャルの合計値をもたせることにより、大幅に通信量を減らした並列化が可能となった。
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