2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21560296
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
道下 幸志 静岡大学, 工学部, 教授 (50239274)
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Keywords | 雷 / 配電線 / フラッシオーバ / インパルス / 高電圧 / 絶縁 / がいし / 落雷 |
Research Abstract |
配電線フラッシオーバ率を,雷パラメータとして電磁界観測により得られたデータを用いて評価したところ,第一雷撃のフラッシオーバ率の計算結果は,従来評価にしばしば用いられてきた海外の直接観測結果を用いた計算結果と比較して1/2から1/5に大幅に減少した。これは,電磁界測定により推定された電流波高値(第一雷撃の50%値で16kA)が直接測定により得られた結果(50%値が30kA)よりも大幅に小さいことが原因である。後続雷撃に関しては波高値の統計分布は電磁界測定(第一雷撃の50%値で13kA)と直接測定(第一雷撃の50%値で12kA)で大差はなかったため,両者を用いて得られたフラッシオーバ率にも大きな相違は認められなかった。 さらに,高圧配電線の下方に設置される低圧配電線を考慮して評価したフラッシオーバ率は,考慮しない場合と比較して第一雷撃では1/5から1/10に,後続雷撃では1/2程度に減少した。これは,低圧配電線が高圧配電線に先行してフラッシオーバするため,架空地線と同様に雷電流の分流経路となるためと考えられる。 第一雷撃と後続雷撃によるフラッシオーバ率に基づいて計算される,落雷あたりのスパークオーバ率の計算結果は,電磁界観測により得られたパラメータを用い,低圧配電線の影響を考慮した場合には,報告されているスパークオーバ率の実測結果と大まかに一致し,高精度な配電線フラッシオーバ率評価手法が開発できたと考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
実際の被害率と計算結果が一致する被害率評価手法は開発できた。
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Strategy for Future Research Activity |
より高精度な評価手法の開発に取り組みたい。
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