2009 Fiscal Year Annual Research Report
一般配電系における有害高調波及び電力負荷状態観測に関する実験的研究
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21560303
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
古川 達也 Saga University, 理工学部, 教授 (90173525)
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Keywords | 電力工学 / 配電工学 / 遠隔計測 / 力率計測 / 高調波・高調波障害 / 電圧電流波形計測 / 電磁界解析 / 有限要素解析 |
Research Abstract |
平成21年度は、従前から研究代表者が独自に設計開発・試作してきた「電力状態観測用樹脂一体型電圧電流センサ」を配電線が水平もしくは垂直に配置された各種配電系に装着した場合を想定した数値シミュレーションを実施するため、10台のPCからなる並列計算システムを再構築、さらに、より実践的な解析ができるように国内のPCクラスターコンソーシアムからリリースされた最新のSCore7を導入して、大規模数値計算と高速計算を可能にし、各種配電線配置状態を想定した配電系に本提案センサを設置した場合の電磁界シミュレーションを実施し、配電線の配置によって引き起こされる電圧・電流センサの実波形からの位相ずれ現象を補正するために必要な種々のデータ・ベースを構築することができた。また、提案しているセンサが元来6.6kV配電系の使用を想定して設計されているのを、22kV配電系に適用した数値電界シミュレーションを実践し、これまで、絶縁耐圧に余裕を持たせて設計してきたセンサでなくても、6.6kV用に設計された既存のセンサで問題なく使用できることが数値シミュレーションによって実証された。さらに、フィールド実験で採用したキャパシタ分圧方式での電圧波形計測回路を考慮した数値電界解析法を新たに考案し、物理現象と矛盾しないフィールド試験での計測状態を想定した電界の分布の事前把握が可能となった。 最後に、通常100~300Aとなる配電線電流が作る磁束を配電線近傍に設置した集電コイルで集め、計測系の組み込み型マイコンシステムへ電力を供給するシステムの集電コイルならびに鉄心構造を数値計算で設計、プロトタイプを試作し、マイコンシステムが動作可能な電力を配電線導体に電極などを噛み込ませることなく間接集電できることを実証し、平成22年度に繋ぐことができた。
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Research Products
(3 results)