2011 Fiscal Year Annual Research Report
一般配電系における有害高調波及び電力負荷状態観測に関する実験的研究
Project/Area Number |
21560303
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
古川 達也 佐賀大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (90173525)
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Keywords | 電力工学 / 配電工学 / 遠隔計測 / 力率計測 / 高周波・高周波障害 / 電圧電流波形計測 / 電磁界解析 / 有限要素解析 |
Research Abstract |
平成23年度は、前年度の成果である平成23年3月に掲載された電気学会論文誌基礎・材料・共通部門誌「計測分圧回路を考慮した配電系電力状態計測センサの数値電界解析」(同誌131-A巻,3号)で採用したモデルよりも、さらに多くの相間ならびに各電極間静電容量を考慮したモデルで樹脂一体型電圧電流センサを装着した配電系の電界を再計算した結果、センサ内の電極間電界強度から、従前の6.6kV系樹脂一体型電圧電流センサであっても22kV配電系への絶縁耐圧を十分満たすことが数値的に証明することができた。本成果を平成23年9月早稲田大学で開催されたSICE 2012 Annual Conference 2011で発表して、高い評価を得ることができた。したがって、両解析結果から,三相で都合六枚になる電極間の全ての相関を考慮する必要なく、従前の方法が経済的にも有利な解析であることが判明した。 また、研究成果として、「配電系用電圧・電流波形遠隔計測システムの検討」と題する論文を電気学会論文誌基礎・材料・共通部門誌(2011年4月号)に報告したが、本年度は、計測系のシステム開発効率を上げるため、従前のシステムに使ったOSを抜本的に見直し、リアルタイム・マルチタスクを簡易に実現できるMES (Micro Embedded System)を採用、SH-3マイクロプロセッサを搭載した廉価版ボードコンピュータ上にA/D変換処理ならびにHTTPデーモンを実装し、インターネットを介した電圧および電流波形計測配信システムの新プロトタイプを実現した。さらに、高調波発生源の同定方法として、これまで、電圧および電流波形のDFT処理結果を調波ごとに位相差を数値的に求めることによって、電力の方向を決定する方法をとっていたが、演算速度が劣る廉価版ボードコンピュータでの実装を考えて、乗除算アナログ演算専用ICを導入することによって、高速化を実現できた。
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Research Products
(3 results)