2010 Fiscal Year Annual Research Report
キャビテーション放電を用いたCNT固定化ナノ粒子複合体の作製
Project/Area Number |
21560304
|
Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
猪原 哲 佐賀大学, 工学系研究科, 准教授 (90260728)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山部 長兵衛 佐賀大学, 工学糸研究科, 客員研究員 (30093082)
|
Keywords | キャビテーション / カーボンナノチューブ / ナノ粒子 |
Research Abstract |
近年、エレクトロニクス分野では,透明性の高い機能性高分子フィルムが求められている.本研究の目的は、単層カーボンナノチューブ(SWNTs)を用いた透明性の高い機能性高分子フィルム(ポストITO膜)を作製することを目指して,ナノ粒子複合体作製技術を開発することである。 本研究では,佐賀大学にて開発された「水中キャビテーション放電技術」をコア技術とし,放電生成ラジカルと衝撃波を使った粒子微細化およびSWNTsの固定化を含めたナノ粒子複合体作製を目指す.ナノ粒子を水中に混入させ,ポンプによって放電リアクタに導入される.リアクタ放電部でナノ粒子が微小化され,さらにCNTs固定化がなされ,ナノ粒子複合体が生成される 昨年度は放電処理によってゼータ電位は負に高くなること,粒子径分布は放電処理によって変化しないことが明らかになった。この結果は粒子表面にOH基が結合したことを示唆するものであった。平成22年度は,昨年度よりもシリカ粒子の径を約一桁小さくし,粒子径を5nmのものに替えて同様の実験を実施した。電源として交流高電圧(周波数10kHz,印加電圧1~2kV)を用い、放電処理前後で粒径分布とゼータ電位を測定した。その結果,粒径分布は変化なかった,ゼータ電位についても処理前後で変化は観測されなかった。この結果を検討した結果,水中でのラジカル生成量に変化はなかったことから,粒子径が小さくなったことによってOH基の結合効率が著しく減少したことが推測される。
|