2009 Fiscal Year Annual Research Report
磁界・振動・音場併用解析を用いたインバータ用リアクトルの低騒音化に関する研究
Project/Area Number |
21560305
|
Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
村松 和弘 Saga University, 理工学部, 教授 (30263627)
|
Keywords | リアクトル / 騒音 / インバータ / 磁界解析 / 振動解析 / 電磁力 / 磁気歪 / 電気機器 |
Research Abstract |
本研究の目的は,磁気歪と電磁力を考慮した磁界・振動・音場併用解析法を開発するとともに,インバータ用リアクトルに適用し,騒音の発生メカニズムを明らかにするとともに,低騒音化を図ることである.本年度得られた成果を要約すると以下のようになる. 1. 磁気歪と電磁力の両方を考慮した磁界・振動併用解析法の開発 鉄芯の磁気歪を等価的な三次元場の節点力でモデル化する方法を開発した.また,時間領域おける振動解析のソフトウェアの作成も行った.これらを,開発済みであった時間領域の磁界解析法と電磁力の節点力を求める節点力法と組み合わせることにより,電磁力と磁気歪の両方を同時に考慮できる三次元磁界・振動併用解析法を開発した. 2. インバータ電源に接続されたリアクトルの磁界・振動併用解析 上記で開発した解析法を用いてインバータ電源に接続された単相リアクトルの磁界・振動併用解析を行い,脚に比べてヨークの振動が大きいことを明らかにした.また,電磁力により,ヨークは脚の方向に変位し,その大きさは鉄芯間に挿入された絶縁物が柔らかい大きくなる.一方,磁気歪により,ヨークは脚と反対の方向に変位し,その大きさは絶縁物が硬いほど大きくなる.このように電磁力と磁気歪によるヨークの変位の方向は反対で,かつ絶縁物の硬さが変位の大きさに及ぼす影響も逆になるため,電磁力と磁気歪を両方考慮した場合のヨーク全体の振動は,鉄芯間に挿入する絶縁物の硬さにより大幅に変化し,この硬さを最適化することによりヨークの振動を抑制できる可能性があることを明らかにした. 3. 単相リアクトルの試作および騒音の測定 エポキシ含浸の有無により二種類の硬さの異なる鉄芯を用いた単相リアクトルを試作し,騒音レベルの測定を行った結果,騒音レベルが変化し,上記解析結果の傾向が実測でも確認できた.
|
Research Products
(7 results)