2009 Fiscal Year Annual Research Report
超伝導電流トランスと極小精密検出コイルを利用した実用高温超伝導導体の通電特性評価
Project/Area Number |
21560308
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
川畑 秋馬 Kagoshima University, 理工学研究科(工学系), 教授 (00244260)
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Keywords | 高温超伝導導体 / 高温超伝導導体 / 高温超伝導コイル / 極小検出コイル / 通電特性 / 電流分布 / 超伝導電流トランス / Bi-2223 |
Research Abstract |
本研究は、高温超伝導機器の実用化のために開発が行われている高温超伝導線材・導体(以下、「実用高温超伝導線材・導体」とよぶ)を対象とし、それらの通電特性を定量的に測定できる新しい測定システムを開発すると共に、それらの特性を評価することを目的としたものである。本研究では、実用高温超伝導導体の電流分布特性の評価だけでなく、電流分布特性と通電損失特性を同時に測定し、両者の関連性についても明らかにすることや、得られた結果から線材やコイルの特性劣化や異常状態の検出ならびにそれらの保護の方策を見出すことも目的としており、これら事項は高温超伝導機器を実用化する上での有用な知見となる。 本研究では測定には精密極小検出コイルを用いるが、平成21年度は、所有する既存の磁界分布測定システムの高感度化・高精度化を行った。高感度化のために、検出コイルの巻線に直径40μmの極細銅線を使用し、コイルの小型・高精密化を図ることで、測定空間の分解能を向上させた。また、測定システムの高精度化のために、既存システムにおける検出コイルの移動部分を、自動X-Yステージとステージコントローラの導入により自動化し、測定の高精度化と高効率化を図った。さらに、実際にこの測定システムを用いて、短尺直線形状のBi-2223高温超伝導テープ線材の電流分布測定を行い、首尾良くデータ収集が行えることを確認した。平成22年度は測定対象を導体やコイルまで拡張し、超伝導電流トランスを大電流供給用電源として用いて、導体およびコイルの通電特性測定や異常検出・保護法についての検討などへ展開していく計画である。また、既存システムを用いて別途、Bi-2223を2枚積層した導体の電流分布特性を測定し、積層した場合の遮蔽電流の影響の程度についての知見を得た。
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Research Products
(2 results)