2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21560313
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Research Institution | Tokyo City University |
Principal Investigator |
湯本 雅恵 東京都市大学, 工学部, 教授 (10120867)
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Keywords | 窒素 / 絶縁破壊 / 繰返し放電 / 放電遅れ時間 / 供給電子 / 脱励起 / 電子付着 / CF_3I |
Research Abstract |
窒素を主成分とした密閉容器中で放電を繰り返すと、絶縁破壊確率が増加するとともに、放電遅れ時間が短縮する傾向が認められる。これに対して、1年目には、放電により発生した窒素活性種の蓄積が原因となり、これらが電極等の表面で内部エネルギーの解放により電子を発生させている事を確かめた。この成果は、電気学会論文誌に掲載された。 2年目は窒素活性種の内部エネルギーの解放反応が効率よく進行するとともに、発生した電子を付着により吸収する2つの効果が同時に期待できるCF_3Iをわずかに窒素雰囲気中に混合したガス中で放電を繰り返した場合の放電遅れ時間を測定した。ところが、放電遅れ時間と放電発生頻度との関係をグラフにまとめると、本来は直線となる特性が曲線になる事が実験的に明らかとなった。これは、CF_3Iの分解により発生する生成物が空間に蓄積するとともに、ヨウ素が電極に付着することが原因と考えられた。そこで、放電の繰返し数を減らし、頻繁に雰囲気ガスを交換したところ、特性が直線になった。このような実験的な工夫により、CF_3Iをわずかに窒素雰囲気中に混合した場合の電子供給数を測定したところ、窒素単独の場合に比べれば電子の供給量は大幅に減少する事が確かめられた。 また、CF_3Iの混入量に対する供給電子数の変化は、圧力が低い場合には、脱励起反応が主となる場合と同様な傾向が得られるのに対して、圧力が高くなると脱励起反応が主となる場合の依存性と違いが生じる事が明らかとなった。これらの成果は、放電とその応用国際会議、さらに電気学会全国大会で発表した。
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Research Products
(3 results)