2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21560317
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Research Institution | 香川高等専門学校 |
Principal Investigator |
相馬 岳 香川高等専門学校, 機械電子工学科, 准教授 (60508266)
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Keywords | 熱電変換モジュール / 熱電材料 / 接合技術 |
Research Abstract |
熱電発電方式とは,p型およびn型の熱電半導体材料をII型の素子に接合し,温度差を与えることにより起電力を取り出す方式である.この素子を必要数直列接続させたものが熱電発電モジュールであるが,本発電方式は駆動部を持たずに熱を直接電気に変換できるため次世代型発電方式として有望視されている.従来のモジュールは重金属材料が主体であったため,高価,有害,耐熱性に劣る等の欠点を有していたため実用上の障害となっていた.90年代の後半からこれらの欠点を克服できる酸化物熱電材料が開発され,その性能も従来材料レベルまで向上されてきたがモジュール化に漕ぎ着けた事例は少なく,今後の開発が期待されていた. 本研究においては,現時点でもっとも高性能な熱電特性を有するコバルト酸ナトリウム(p型)と酸化亜鉛(n型)を採用し,酸化物熱電発電モジュールの作製技術の確立を目標とした. 平成23年度においては最終年度として(1)酸化物材料と電極材料の接合界面のミクロ分析,(2)出力向上および耐久性の評価,の二点を基軸に実験研究を実施した.(1)についてはSEM-EDX分析により酸化物材料と電極材料(銀)との接合界面を形状分析および組成分析を実施した.その結果,これまで不明であった界面の状態を確認することができた.(2)については,出力向上させるため,電気抵抗値が高いp型材料を除外し,n型材料のみによる単極型熱電発電モジュールを試作した.その結果,モジュールの内部抵抗は低減できたものの,発電出力は低下した.原因として,現時点での単極型モジュールの構造では素子材料両端の温度差が確保しにくいことが判明した.今後の課題としてはモジュール構造のさらなる改良と耐久性の評価が挙げられる. 本年度を含め3年間で得られた研究成果は査読付き論文1件,学会発表5件として対外発表することができた.
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Research Products
(4 results)