2011 Fiscal Year Annual Research Report
広範な抵抗率可変機能を持つ新しい薄膜ナノ材料の開発と最先端集積回路への応用
Project/Area Number |
21560320
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Research Institution | Kitami Institute of Technology |
Principal Investigator |
武山 眞弓 北見工業大学, 工学部, 准教授 (80236512)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野矢 厚 北見工業大学, 工学部, 教授 (60133807)
町田 英明 気相成長(株), 代表取締役 (30535670)
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Keywords | ナノ材料 / ホウ化物 / ナノコンポジット / 抵抗率 / Zr-B |
Research Abstract |
ZrB2は、Zrの2次元層状構造と、共有結合のBのハニカム構造が交互に積層されたインターカレーションとなっていることから、2次元伝導による電気伝導が生じ、金属ホウ化物の中でも最も低抵抗な材料である。このような安定な化合物でかつ低抵抗な材料という興味深い性質から、様々な分野への応用が期待されている。中でもSi-ULSIにおける配線の拡散バリヤ材料あるいはメタルキャップ材料としての特性に期待が寄せられる。しかしながら、これまでのZrB2材料は成膜プロセス温度が高いために、応用の範囲が狭まってしまうという問題点があった。本研究では、低温プロセスによるZrBk膜の作製及び、ZrB2から故意に組成を変化させることで、どの程度の組成範囲まで、ZrB2としての特性が保持されるのかを検討した。その結果、Zr:B=2:1というZr-richな状態のZrBx膜においても、ZrB2の特性を保持させることが可能であることが明らかとなった。さらに、そのような場合、膜中に混入した酸素の振る舞いが重要であり、フリーなZrを残さないようにすることで、Zr-B結合が積極的に形成され、ZrB2相が得られることがわかった。また、ZrBx膜をLSIの多層配線であるCu層のメタルキャップ膜として適用した場合においても、500℃程度以上の熱処理後においても顕著な構造変化を起こさず、Cuとも反応しない優れたメタルキャップとなることが明らかとなった。
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Research Products
(3 results)