2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21560324
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Research Institution | Japan Advanced Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
堀田 將 Japan Advanced Institute of Science and Technology, マテリアルサイエンス研究科, 准教授 (60199552)
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Keywords | 低温結晶化 / Si薄膜 / YSZ薄膜 / 薄膜トランジスタ / 固相成長 / 低温プロセス / 多結晶Si |
Research Abstract |
まず、YSZ層上にSi薄膜の固相成長が可能かどうかを確認し、その後、Si薄膜の結晶成長機構に関して検討した。多結晶YSZ層は、10×10×0.5mm^3の石英基板上に反応性マグネトロンスパッタ法によりイットリウム比Y/(Zr+Y)=10.5%、基板温度50℃、圧力6.3mTorrで50nm堆積した。非晶質Si(a-Si)薄膜は電子線蒸着により基板温度300℃、堆積レート1nm/s、圧力9×10^<-9>~2×10^<-8>Torrで60nm堆積した。堆積したSi薄膜は、560℃~700℃、N_2雰囲気中の電気炉にてアニールを行い、ラマン分光法により結晶化率を評価した。試料として、a-Si薄膜を単結晶(111)YSZ基板上に堆積したもの、石英基板の表面を多結晶(poly-)YSZ層で覆ったもの、直接石英基板上に堆積したものの3種類用いた。560℃のアニールを施した試料では、YSZ基板上、YSZ層上の場合、700分付近から、またガラス基板上の場合は、1100分付近から結晶化Siの核発生が始まった。また、その後いずれの場合も、アニール時間と共に結晶化率が増加し、最終的に前者は1000分ぐらいで、後者は1300分ぐらいで結晶化率の飽和が確認された。このような結晶化過程は、他のアニール温度においても同様に観測された。このことから、固相成長においても直接堆積法と同様に、YSZ層上のものの方が単なるガラス基板上よりも短時間で結晶化し、YSZ層の結晶化誘発の効果が確認された。さらに、YSZ基板上及びYSZ層上に堆積したa-Si薄膜は、YSZ界面から層状かつ一様に固相成長するような状態が観察された。これらの結果は、YSZ層の結晶情報がSi薄膜に伝達されている可能性を示すものと考えている。今後は、固相成長によるZr,Yなどの不純物拡散の低減、及びSi薄膜表面凹凸の低減を図り、また、結晶粒径の均一化及びTFT作製によるデバイス特性の測定を行なう予定である。
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Research Products
(6 results)