2010 Fiscal Year Annual Research Report
FIBマスクレス選択成長による極微半導体デバイス構造のその場形成に関する研究
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21560327
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Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
朴 康司 豊橋技術科学大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (10124736)
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Keywords | 選択成長 / 化合物半導体 / ガリウムヒ素 / 集束イオンビーム / FIB |
Research Abstract |
III-V族化合物半導体のマスクレス選択成長技術は、光・電子集積回路などの次世代デバイス開発に有用であると考えられる。本年度も、GaAs半導体のマスクレス選択成長におけるSnドーピングの研究を主に行った。具体的には、Snのドーピング濃度を増やしたSn high doped-Ga LMISを用いGaAs選択成長を行い、抵抗率、ホール効果測定などによりドーピング濃度やキャリヤタイプがどのようになるかを詳細に調べた。実験にはSn:Gaを1.5×10^<-4>:1のモル比で混合したSn high doped Ga LMISを用いた。このLMISを用いて、入射エネルギーが50eVと100eVで約500×500μmの正方領域に成長させ、各As_4背圧においてAFM、ホール効果測定により成長層の評価を行なった。室温ホール効果測定では、50eVの時にはキャリアタイプはp型を示した。100eVの室温ホール効果測定の結果としては、As_4背圧によってキャリアタイプが異なった。これを詳細に調べるため、p型、n型になるビームの加速電圧、成長中のAs_4背圧の最適条件を求める、更なる実験を行った。その結果p型としては、加速電圧50eV、As_4背圧2×10^<-6> Torr、n型としては、加速電圧100eV、As_4背圧4×10^<-6> Torrの条件が最適であることが分かった。この技術を、集積化マイクロデバイスに応用するために、pn接合のその場作製を行った。本研究では2つの方法により選択的なpn接合の作製を試みた。まず、pn接合(1)の作製では、n-GaAs(100)基板上にp-GaAs層を選択的に成長させることで選択的にpn接合を作製した。次に、pn接合(2)の作製では、S.I.GaAs(100)基板上にn-GaAs層を選択成長させ、その上にp-GaAs層を成長させることで、選択的にpn接合を作製した。I-V測定により作製したサンプルは整流性を示すことが明らかになり、Sn-Ga FIBの照射領域にのみ選択的にpn接合が形成されていることを確認した。
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