2010 Fiscal Year Annual Research Report
水蒸気プラズマ処理によるGaN系半導体の発光増大機構の解明と発光デバイスへの応用
Project/Area Number |
21560330
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
上浦 洋一 岡山大学, 大学院・自然科学研究科, 教授 (30033244)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山下 善文 岡山大学, 大学院・自然科学研究科, 准教授 (80251354)
関口 隆史 物質・材料研究機構, 半導体材料センター, グループリーダー (00179334)
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Keywords | InGaN / 水素プラズマ処理 / 水蒸気プラズマ処理 / 原子状水素 / 発光 / フォトルミネッセンス / カソードルミネッセンス / AlGaN |
Research Abstract |
1.Mg-doped p型InGaN(In濃度10%)の青色発光に対するプラズマ処理のガス種(水蒸気,水素,酸素)の影響をPL法により調べた。その結果,水蒸気プラズマでは14.8倍,水素プラズマでは25.1倍発光が強くなったのに対し,酸素プラズマや永蒸気中での熱処理では全く増大しなかった。次にPLスペクトルを詳細に解析した結果,以下のことが判明した。水蒸気プラズマでは,as-grownのPLスペクトルで存在した413nmのピークの強度が6倍に増大するとともに,445nmに新たなピークが生じ,これが14.8倍の発光増大の原因となっている。これに対して水素プラズマ処理では,as-gromのPLピークはほとんど変化せず,その強度が25.1倍に増大した。以上の結果から,前年度の解釈を一部変更して,以下のように解釈する。水蒸気および水素プラズマ処理によりInGaNに注入された原子状水素は非発光センターを不活性化して発光を増大させる。水蒸気および酸素プラズマ処理により発生した原子状酸素は単独では発光に影響しないが,原子状水素と相互作用することにより445nmに発光を生ずる新たな発光センターを形成する。 2.次に,InGaN(In濃度10%)の青色発光の熱的安定性を調べた。その結果,as-gromの413nm発光は窒素雰囲気中熱処理(400℃,30分)でも変化せず安定であったが,水蒸気プラズマ処理により新たに生じた445nm発光は同じ熱処理により強度が半減した。以上より,2種類の発光は異なる発光センターから生ずるとした前項の解釈が実証された。 3.Hg-doped p型AlGaN(Al濃度8.4%)に対しても,水蒸気・水素混合プラズマ処理効果をPL法とCL法により調べたが,InGaNと異なり発光増大効果を確認することはできなかった。
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Research Products
(3 results)