2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21560336
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
小林 清輝 Tokai University, 工学部, 教授 (90408005)
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Keywords | 電子・電気材料 / 不揮発性メモリ / LSI / Si_3N_4 / SiCN |
Research Abstract |
不揮発性メモリデバイスのメモリセル構造として、MONOS (Metal-Oxide-Nitride-Oxide-Silicon)型などの電荷トラップセル方式が注目されている。この方式においては、Si_3N_4膜に内在する欠陥が作る電荷トラップに電子または正孔を捕獲させることで情報を記憶する。このため、Si_3N_4膜中の欠陥の電子状態と挙動を理解することが重要である。 本研究ではまず、減圧CVD (Chemical Vapor Deposition)法で堆積したSi_3N_4膜に、室温でエネルギー4.9eVの紫外線を照射することで、リーク電流が著しく増加することを見出した。また、電子スピン共鳴測定の結果に基づき、紫外線照射によって生成したK^0センター(Si dangling bond : Si db)がSi_3N_4膜中でキャリヤ生成中心として働き、リーク電流の増加を引き起こすと考えられることを示した。これまで、Si dbはMONOS型メモリの主要な電荷トラップの一つと考えられてきたが、本研究結果は、Si dbがキャリヤ生成中心として振る舞う可能性を示したものであり、不揮発性メモリ用Si_3N_4膜の形成に対し極めて重要な知見を与えている。 次に、Si_3N_4膜(比誘電率~7)と比較して比誘電率が4.8と低いSiCN膜を電荷トラップ膜に用いることで、不揮発性メモリの書き込み消去特性を向上できると考え、Metal-SiCN-Oxide-Silicon構造の素子を試作し、そのメモリ特性を評価した。その結果、Si_3N_4膜の場合に比べて低電圧で情報の書き込みができること、および125℃で10年以上のデータ保持時間が見込まれることが分かった。これらの結果により、低誘電率SiCN膜によって不揮発性メモリデバイスの性能を向上できる可能性があることを示した。
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