2010 Fiscal Year Annual Research Report
新規な有機色素分散型ハイブリッド無機EL素子の発光機構解明に基づく特性向上
Project/Area Number |
21560337
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Research Institution | Tokyo Polytechnic University |
Principal Investigator |
内田 孝幸 東京工芸大学, 工学部, 教授 (80203537)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 利文 東京工芸大学, 工学部, 教授 (00308339)
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Keywords | 無機EL / 色変換 / 有機色素 / 輝度分析 / ハイブリッド / トップエミッション / 無機蛍光体 |
Research Abstract |
無機ELの発光原理は、電界で加速された電子の衝突したエネルギーによって、無機蛍光体が励起される、いわゆるインパクト型の励起過程を取ることが知られている。一方、有機EL素子は電流注入型の素子でありキャリア注入による励起過程を経て発光に至る。すでに、申請者らは、青色無機蛍光材料に対して、適切な添加量(約0.1wt%)の緑や赤の有機色素を加えることによって、このハイブリッドデバイスからの発光が、ほとんどすべて有機色素からの発光になることを見出し報告している。有機-無機ハイブリッド無機蛍光材料と有機材料で著しく粒径が異なるために、発光輝度の面均一性において、ミクロンオーダーで見た場合、輝度分布が観測される場合がある。本年度は、2次元色彩輝度計を用いて、面内輝度均一性を発光面全体、ならびに、無機蛍光体粒子1点拡大した視野での精細な輝度分布を調べた。無機蛍光体のみと、有機色素を加えた無機蛍光体(ハイブリッドEL)の場合の輝度分布を比較した場合、適切な添加量(約0.1wt%)での輝度分布が改善されることを示した。さらに、これらのミクロンオーダーでの輝度分布では、無機蛍光材料の領域で輝度の最高値を示しているため、ハイブリッドELでは、色変換は無機蛍光体の発光を励起源とした色変換が主であることを示唆した。 また、トップエミッション構造に関連する検討では、基板に透明な材料を用いる制約がなくなるため、有機-無機ハイブリッドの分野においても重要な事項である。このため、構成材料である透明導電膜の代表であるITOをこれらのハイブリッドならびに単一材料でのデバイスに成膜する際のダメージの影響や発光材料の劣化についても調べ、さらにプリント配線基板等へのトップエミッション素子を作製し、その応用を示した。
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