2011 Fiscal Year Annual Research Report
強誘電体・蛍光体ナノ複合構造によるメモリ効果と光電変換型不揮発性メモリへの応用
Project/Area Number |
21560338
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Research Institution | Kanazawa Institute of Technology |
Principal Investigator |
會澤 康治 金沢工業大学, 工学部, 教授 (40222450)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
得永 嘉昭 金沢工業大学, 工学部, 教授 (00072174)
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Keywords | 強誘電体 / 蛍光体 / Eu添加SBT / BST / 分極特性 / EL発光 / ナノ構造 |
Research Abstract |
本年度は強誘電性を示す蛍光体(ユウロピウム添加SBT:Eu-SBT,Eu:Sr:Ba:Ta=1:4:10:10)を用いた強誘電体・蛍光体ナノ構造のメモリ効果の確認を行った。 研究代表者らはチタン酸ストロンチウム(STO)単結晶基板をベースとした薄膜構造の作製と評価を行った。なお電子加速層にZnS膜を用いる構造は良質な膜の形成条件探索が難しく、これと平行して低電圧駆動のためEu-SBTの薄膜化に挑戦した。実験では、従来の形成プロセスや形成条件の見直しを行い、その結果としてPt膜付き基板上において分極特性(残留分極2.5μC/cm^2@5V,1kHz駆動)を示すEu-SBTナノ薄膜(厚さ48nm)の形成に成功した。また強誘電体チタン酸バリウム・ストロンチウム((Ba,Sr)TiO_3,Ba:Sr=3:2)薄膜を絶縁層に用いたBST/Eu-SBTナノ薄膜積層構造も作製し、それらが駆動電圧10V以下で動作することも確認した。 積層構造の光学測定は研究代表者らが作製した積層構造試料のEL発光測定を研究分担者が所有する二次元光子計数装置を用いて行った。その結果、焼成温度750℃で作製したPt/BST(0.6μm)/Eu-SBT(1.8μm)/Nb(0.05wt%)-STO(110)構造が、駆動電圧18V、駆動周波数1kHzにおいて波長605nmにピークを持つEL発光することを初めて確認した。しかし、今回のEL発光は駆動電圧10Vにおいて微弱であり、そのため十分な光電流が得られる素子にはならなかった。 本研究を通して提案素子が強誘電性を示し、かつEL発光することを実験的に示したことは、発光輝度を強誘電性で制御する光電子集積化マイクロデバイスへの応用に有益な成果を与えたと考えている。
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Research Products
(3 results)