2009 Fiscal Year Annual Research Report
環境に優しい強誘電体ドメイン制御圧電材料及びデバイスの創出
Project/Area Number |
21560340
|
Research Institution | Shizuoka Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
小川 敏夫 Shizuoka Institute of Science and Technology, 理工学部, 教授 (40247573)
|
Keywords | 非鉛系 / 圧電セラミックス / ニオブ酸アルカリ / ドメイン / 分極電界依存 |
Research Abstract |
非鉛系圧電セラミックス研究の主体はBi系/BaTiO_3系/ニオブ酸アルカリ系の組成探索であるが、未だに鉛系PZTセラミックスの圧電特性には達していない。本年度はニオブ酸アルカリ系について、組成探索とは違った方向から、強誘電体ドメインの配向分極、即ち、電界による自発分極の配向性に着目し、高圧電性に必要とされる要因を検討した。 ニオブ酸アルカリ系(1-x)(Na, K, Li, Ba)(Nb_<0.9>Ta_<0.1>)O_3-xSrZrO_3(x=0-0.07)セラミックスを分極温度150℃、分極時間30分に固定し、DC分極電界強度Eを0→+4.0→0→-4.0→0→+4.0kV/mmと変化させ、それぞれのEでその誘電・圧電特性を測定した。更に、印加電界強度を変えて、P-Eヒステリシスも測定した。 セラミック円板(直径14mm,厚さ0.5mm)を分極処理(150℃/30分/E=4.0kV/mm)した時の電気機械結合係数k_p及びその周波数定数fc_p(バルク波伝搬速度の1/2)とSrZrO_3(SZ)置換量との関係から、高k_p(48%),高d_<33>(307pC/N)が得られるSZ量x=0.04-0.06において、fc_pが極小値を示す。fc_pの減少はヤング率の減少(材料が軟らかくなる)に相当し、分極時に容易に体積変化を起こすことにより、結果として配向性が高まるものと考えられた。x=0.05組成でのk_p及びfc_pの分極電界依存測定結果から、E=+0.50,E=-0.75kV/mmでk_pの極小値、fc_pの極大値が得られ、正方晶ハード系PZTセラミックスと同様の典型的なドメインクランピング状態を示した。更に、x=0.05でP-Eヒステリシス曲線はその対称性が向上し、このことからもセラミックスが電界により、容易に変形可能になったことを裏付けていた。
|
Research Products
(10 results)