2009 Fiscal Year Annual Research Report
金属-絶縁物同時無電解析出法による金属-絶縁物ナノコンポジット薄膜の作製
Project/Area Number |
21560343
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Research Institution | Nara National College of Technology |
Principal Investigator |
藤田 直幸 奈良工業高等専門学校, 電気工学科, 教授 (90249813)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平井 誠 奈良工業高等専門学校, 電気工学科, 助教 (00534455)
西野 悟 奈良工業高等専門学校, 物質科学工学部, 講師 (20413817)
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Keywords | 金属-絶縁物同時無電解析出法 / 金属-絶縁物コンポジット薄膜 / 化学反応 / 溶液成膜 |
Research Abstract |
金属-絶縁物同時無電解析出法により金属-絶縁物ナノコンポジット薄膜の作製を試みた.まず,絶縁物に酸化物を用いた金属-酸化物ナノコンポジット薄膜の作製を行った.ここで,金属にニッケル(Ni),酸化物に酸化亜鉛(ZnO)を選び成膜を行った.一般的に使用されているNi無電解メッキ浴の浴組成と同様の溶液Aと,伊崎らによって示されているZnO薄膜の作製に用いられる溶液Bを用意し,それらの溶液の混合比を変えて混合し,反応液とした.基板には,クロム酸でエッチング処理したABS樹脂を用いた.スズ,パラジウム系の触媒溶液を使ってABS樹脂にパラジウム核を付着させた後,反応液に浸漬させて成膜を行った.その結果,XRDでNiとZnOの共存が確認できる薄膜の作製に成功した.膜中のNi含有量は,80~95vol.%の範囲であった. 次に,金属-絶縁物ナノコンポジット薄膜の絶縁物に高分子を用いた金属-高分子ナノコンポジット薄膜の作製に先立ち,高分子(エポキシ)の無電解析出を試みた.水溶性樹脂,硝酸,DMABを含む反応液を用意し,スズ,パラジウム系の触媒溶液を使って前処理したガラス基板,ガラス細管,Fe基板ヘエポキシ樹脂が成膜できることを確かめた.また,作製した薄膜の電気抵抗はGΩオーダーであった. このように,本研究により,金属と酸化物が共析した薄膜や,高分子薄膜を水溶液中の無電解反応によって析出させることに始めて成功した.
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